コールセンター業務におけるインバウンドコールは、顧客や見込み客からの問い合わせに対応する業務。適切な対応が取れれば、良い印象につながります。
相手から電話を受けるインバウンドコールは、企業側からの営業よりもアプローチをかけるハードルは低いでしょう。
本記事ではインバウンドコールのメリットや、アウトバウンドコールとの4つの違いについて解説していきます。顧客満足度を向上させるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
インバウンドコールとは?
コールセンターにおけるインバウンドコールは、受電業務のこと。「お客様相談室」や「サポートセンター」など、呼び名の違いはあるものの、コールセンターにかかってくる電話にオペレーターが対応するといった業務内容は共通しています。
インバウンドコールの主な業務内容は、問い合わせやクレーム対応、資料やカタログ請求などへの対応全般が含まれます。
インバウンドコールとアウトバウンドコールの違い
それでは、インバウンドコールとアウトバウンドコールの違いについて解説します。
- 実施する目的
- オペレーターに求められるスキル
- トークスクリプトの使い方
- 売上へのつながり方
実施する目的
インバウンドコールは受電業務ですが、アウトバウンドコールは架電業務です。
どちらも顧客と電話で話すのは同じですが、インバウンドコールは顧客からの電話にオペレーターが対応し、顧客満足度を高める目的があります。
一方のアウトバウンドコールは、オペレーターが顧客に電話をかけ、収益アップに向けて新規顧客を獲得するのが目的です。
オペレーターに求められるスキル
インバウンドコールとアウトバウンドコールでは、オペレーターに必要なスキルが異なります。
受電業務のインバウンドコールは、あらゆる顧客からの相談内容にも対応する柔軟性や即座に調査するリサーチ力が欠かせません。また、クレーム対応にも冷静に対処できるトークスキルや忍耐力も求められるでしょう。
一方、アウトバウンドコールでは企業側から連絡するため、顧客が抱える悩みのヒアリング力や話術が求められます。
トークスクリプトの使い方
インバウンドコールとアウトバウンドコールでは、トークスプリクトの使い方が異なります。
トークスプリクトは、営業活動における台本のような役割があり、話の流れや内容を予めきめておくものです。
洗練されたトークスプリクトを準備すれば、アポイント獲得率が高まることからアウトバウンドコールで活用されています。
インバウンドコールにも活用は可能ですが、顧客によって目的が異なるため受注業務以外ではあまり活用シーンがありません。
売上へのつながり方
インバウンドコールとアウトバウンドコールは、売上へのつながり方も異なります。
アウトバウンドコールで新規顧客を獲得できれば、直接的に売上アップにつながるでしょう。
一方インバウンドコールは、顧客満足度向上を目的としているため、受電業務は直接売上アップには影響しません。応対品質の向上により、顧客満足度が上がれば顧客単価の増加やリピーター増加につながります。
インバウンドコールは直接的ではないものの、間接的に売上向上につなげられる可能性はあります。
インバウンドコールを実施するメリット
ここからは、インバウンドコールを実施するメリットを3つ紹介します。
- 高い成約率が期待できる
- 顧客満足度の向上につながる
- 商品やサービスの開発・改善に役立てられる
高い成約率が期待できる
インバウンドコールは、高い成約率が期待できます。というのも、企業の商品やサービスに興味がある顧客や、実際の利用者が電話をかけてくるケースが多いからです。
問い合わせに対して丁寧に対応して好印象を持ってもらえれば、購買意欲を刺激して成約率を高められるでしょう。
既に商品やサービスを利用している場合でも、顧客の要望に応えることができれば、アップセル(サービスのグレードアップ)やクロスセル(関連商品の購入)が期待できます。
顧客満足度の向上につながる
インバウンドコールの目的は、顧客満足度の向上です。
オペレーターが顧客の要望に対して丁寧に対応すれば、顧客満足度の向上につながるでしょう。
本来はクレームの電話でも、オペレーターが真摯に対応すれば不満が解消されリピーターになる可能性もあります。
商品やサービスの開発・改善に役立てられる
インバウンドコールは、商品やサービスの開発・改善に役立てられるのもメリットです。
顧客が商品やサービスを利用した、リアルな感想や意見などを聞ける重要な機会でもあります。
内容がクレームであっても、改善点として受け取り反映させれば、顧客満足度の向上や売上アップにもつながるでしょう。
インバウンドコールの満足度を向上させるポイント
では最後に、インバウンドコールの満足度を向上させるポイントについて解説します。
- 顧客の待ち時間を短縮する
- 顧客に寄り添い親身に対応する
- 分かりやすく伝えてスピーディーに解決へと導く
- 情報共有がしやすい社内体制を整える
- 在宅勤務ではアイドルタイム管理が困難になる
顧客の待ち時間を短縮する
インバウンドコール業務では、顧客の待ち時間を短縮するよう意識しましょう。
待ち時間が長ければ、好意的な意見を持つ顧客の不満につながりかねません。
電話は3コール以内に出る、オペレーターが自己解決できず保留にする場合は折り返すなど、顧客を待たせないことが大切です。
対策として、IVR(自動音声応答システム)を導入する選択肢があります。
顧客に寄り添い親身に対応する
インバウンドコール業務では、顧客に寄り添い親身に対応しましょう。
そもそも、顧客は話したいことがあって電話をかけています。
オペレーターのスキルや知識不足で、対応が悪いと感じれば企業のイメージを損ないかねません。
そこで、丁寧な対応と顧客による声の傾聴を心がけてくださいてください。クレーム対応では、丁寧な謝罪や代替案の提案なども必要です。
分かりやすく伝えてスピーディーに解決へと導く
インバウンドコールは、分かりやすく伝えて解決までスピーディーに導くことが重要です。
早口や小さい声で話すと、顧客が聞き取りづらく何度も聞き直すことになり時間がかかるうえ、ストレスを与えかねません。
問い合わせの電話にオペレーターが対応できず、長い時間待たせれば顧客満足度向上はかなわないでしょう。
オペレーターによって差が生じることも多いので、研修やマニュアルを作成し応対品質向上を目指してください。
情報共有がしやすい社内体制を整える
社内で情報共有がしやすい体制を整えることも大切です。
知識と経験が豊富なベテランオペレーターであれば、専門的な知識を必要とする問い合わせにもスムーズに対応できるでしょう。
研修制度を導入しても、すぐには対応できないかもしれません。そこで、マニュアルを作成しオペレーター同士で共有すれば、応対品質の均一化といった効果も期待できます。
在宅勤務ではアイドルタイム管理が困難になる
在宅勤務を導入する場合は、アイドルタイムの管理が困難になるのが留意してください。
アイドルタイムとは、コール間の空いた時間のこと。在宅勤務のアイドルタイム管理に悩んでいるのであれば、リアルタイムモニタツールで解決できます。
リアルタイムモニタツールは、全てのオペレーターの対応状況を一括管理するため、在宅勤務でアイドルタイムが長いオペレーターにもアプローチできます。
まとめ:インバウンドコールは顧客満足度向上に役立つ
インバウンドコールは、顧客満足度の向上を目的とした業務です。
オペレーターは、問い合わせや資料請求以外にも、クレーム対応まで幅広い要望に応えなければなりません。
一方、顧客に寄り添い親身に対応すれば、高い成約率や商品やサービスの開発・改善に役立てられるといったメリットもあります。
本記事で紹介した情報を参考に、インバウンドコールを企業の顧客満足度向上に役立ててください。