電話対応の言葉遣い一覧表!NG表現や役立つシーン別のフレーズも紹介

笑顔で対応するコールセンターのオペレーター

コールセンター業務は、顔の見えない対応となるためで印象が決まります。オペレーターの言葉遣いが適切でなければ、企業のイメージを悪くしかねません。

オペレーターが正しい言葉遣いで適切な対応を行えば、顧客満足度が高まり企業のイメージアップにもつながるでしょう。

本記事では、電話対応の言葉遣いを一覧表で紹介します。NG表現やシーン別に役立つフレーズも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

電話対応に欠かせない敬語の種類

男性オペレーター

はじめに、電話対応に欠かせない敬語の種類を紹介します。

  • 尊敬語
  • 謙譲語
  • 丁寧語

尊敬語

尊敬語は、相手(顧客や消費者など)を主語とし、尊敬や敬意を示す言葉です。

  1. 言う:おっしゃる
  2. 聞く:お聞きになる
  3. 見る:ご覧になる
  4. 会う:お会いになる

取引先の企業を「御社」、担当者を「ご担当の方」というのも尊敬語に該当します。

謙譲語

謙譲語は、自分(社員)を主語とし、へりくだって相手に敬意を示す言葉です。

  1. 言う:申し上げる
  2. 聞く:うかがう
  3. 見る:拝見する
  4. 会う:お目にかかる

丁寧語

丁寧語は、相手に敬意を表す言葉ですが、自分を主語とした場合にも使用します。

名詞には頭に「お」や「ご」を付け、語尾には「ございます」や「です・ます」をつけるのも特徴です。

  1. 名前:お名前
  2. 車:お車
  3. 言う:言います
  4. 聞く:聞きます
  5. 見る:見ます
  6. 会う:会います

コールセンターでは尊敬語の使い分けも重要です。他にもコールセンターでよく使われる尊敬語の例を一覧表でまとめますので参考にしてください。

フレーズ 尊敬語 謙譲語 丁寧語
する なさる いたす します
伝える 申し伝える お伝えになる 伝えます
思う お思いになる 存じます 思います
行く いらっしゃる 伺う 行きます
待つ お待ちいただく お待ちする 待ちます
休む お休みになる お休みさせていただく 休みます
知る お知りになる 存じ上げる 知っています
受け取る お受け取りになる 頂戴する 受け取ります
読む お読みにおなる 拝読する 読みます
利用する ご利用になる 利用させていただく 利用します
送る お送りになる 送らせていただく 送ります
書く お書きになる お書きする 書きます
帰る お帰りになる おいとまする 帰ります

敬語と謙譲語は、混同されやすいので注意しましょう。

電話対応に役立つ言葉遣いマニュアル

笑顔のオペレーター

それでは、電話対応に役立つシーン別の言葉遣いマニュアルを紹介します。

  1. 基本表現
  2. 電話に出る・かける
  3. 通話中
  4. 担当者がいない場合
  5. 電話を切るとき

基本表現

コールセンターでの基本表現は、上記で紹介した尊敬語の一覧に加えて、呼称の使い分けも重要です。

主に使用されるフレーズと言葉遣いについて、以下にまとめました。

フレーズ 適切な言葉遣い
わたくし
私達 わたくしども
自分の会社 弊社、当社
相手の会社 御社、貴社
お客様
さっき さきほど
後で 後ほど
お詫び 申し訳ございません
訂正する 大変失礼いたしました
承諾する 構いません
同意する おっしゃる通りです
対応できない いたしかねます

電話に出るときや会話の途中、電話を切るときまでさまざまなシーンに使用します。呼称の他にもふさわしい言葉遣いを意識しましょう。

電話に出る・かける

電話に出るときの対応と、電話に出るときの対応をそれぞれに見ていきましょう。

シーン 言葉遣い
電話に出る お電話ありがとうございます。
〇〇株式会社の△△と申します。
電話に出るのが遅れた 大変お待たせいたしました。
〇〇株式会社の△△と申します。
用件を聞く どのようなご用件でしょうか
ご要件をお伺いします
相手が名乗らないとき 恐れ入りますお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか
電話をかける お世話になっております、〇〇株式会社の△△と申します
担当者への取り次いでもらう □□様はいらっしゃいますか

電話に出るとき・かけるときの言葉遣いは大体決まっていますが、社内ルールがある場合はそちらを優先してください。

通話中

続いて、通話中の言葉遣いでよく使う言葉を一覧表で紹介します。

シーン 言葉遣い
保留にする 少々お待ちください
保留の解除 大変お待たせいたしました
声が聞き取れないとき お電話が遠いようでございます
恐れ入りますがもう一度おっしゃっていただけますでしょうか
電話を転送する ただいまお繋ぎいたします、少々お待ちください
伝言を受けるとき かしこまりました、□□に申し伝えます

顧客を待たせるときは、必ずたませることを伝えるのがマナーです。相手の声が聞き取れない場合は、正確な内容を把握するためにも、失礼のないよう相手に伝えてください。

担当者がいない場合

電話を取り次ぐよう言われても担当者が不在の場合は、電話に出られないことを伝えます。

シーン 言葉遣い
離席中 ただいま□□は席を外しております
電話中 ただいま□□は電話中でございます
外出中 本日□□は外出しております
出張中 □□は◯月◯日まで出張となっております
会議中 ただいま□□は会議中でございます
休暇中 □□は◯日まで休暇を取っております

なお、外出中や休暇中の場合、具体的な行き先を伝える必要はありません。

電話を切るとき

最後まで相手に好印象を与えるためにも、電話を切るときまで正しい言葉遣いを意識しましょう。

シーン 言葉遣い
通話内容の確認 本日は私△△が承りました
相手に不明点がないか確認する 何か不明な点はございませんか?
お詫びの電話 この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした
感謝を伝える ありがとうございます
電話を切る 本日はお時間を取っていただきありがとうございました、失礼いたします

電話対応では、電話を切るときにもマナーがあります。顧客を不快にさせないように、電話を切るまで正しい言葉遣いとマナーを意識してください。

電話対応でNGな言葉遣い5選

女性が手でバツマークを作っている

電話対応として、使用するべきではないNGな言葉遣いを5つ紹介します。

  1. 二重敬語
  2. 専門用語
  3. 社内の専門用語
  4. コンビニ・ファミレス敬語
  5. 不快にさせる雑な用語

二重敬語

二重敬語は、一見丁寧な言葉遣いのようですが間違いです。

よくあるNG例を下記にまとめました。

NG 正しい言葉遣い
おっしゃられる おっしゃる
お帰りになられる お帰りになる
お戻りになられた お戻りになる
承らせていただく 承ります
拝見させていただく 拝見いたします

主に尊敬語の重複が多く見られますが、しつこい印象を与えるので注意しましょう。

専門用語

専門用語は、社内や業界でしか通用しない言葉です。取引先の担当者であっても、通じない場合があるので注意してください。

専門用語は使わず、初心者でも分かるように噛み砕いた言葉遣いを意識しましょう。

社内の専門用語

社内の専門用語は、略語をはじめ会社内のスタッフ同士でしか通用しない言葉です。略語や隠語など社内でのみ通用する言葉です。

専門用語を使用してしまうと、相手に内容が伝わらず、話が進行しないうえに良い気分はしません。

毎日のように使用していると、電話でも無意識に用いる可能性があるので注意してください。

コンビニ・ファミレス敬語

コンビニやファミレスの敬語は、丁寧に聞こえますが日本語としては間違いです。電話対応では使わないようにしましょう。

NG言葉 正しい言葉遣い
よろしかったでしょうか? よろしいでしょうか?
〇〇円になります 〇〇円でございます
〇〇の方をご覧ください 〇〇をご覧ください
了解です 承知いたしました
できません できかねます
わかりません わかりかねます

意外と使用しがちな表現も多いため、注意してください。

不快にさせる雑な用語

日常会話で何気なく使っている言葉遣いでも、電話対応では相手を不快にさせる可能性があります。

NG言葉 正しい言葉遣い
結構です お断りします
大丈夫です 差し支えありません
ご苦労さまです お疲れさまです
すいません すみません
(電話対応では申し訳ございません)
そうですね さようでございますか
なるほど ごもっともです
とんでもありません とんでもないことでございます
はぁ はい

顧客や取引先の方を不快にさせるため、雑な用語は避けましょう。

電話対応における言葉遣い以外のポイント

スーツ姿の女性が手で案内する方向を示している

では最後に、電話対応における言葉遣いのポイントについて解説します。

  1. 明るい表情を作る
  2. ハキハキと受け答えをする
  3. 3コール以内で電話に出る
  4. 顧客の話を傾聴する
  5. 顧客からの情報を復唱する

明るい表情を作る

電話対応は明るい表情を作るように意識しましょう。

電話対応では顔が見えませんが、明るい表情を意識すると声のトーンがアップします。電話では声がワントーン低く聞こえるため、トーンアップにより相手に好印象を与えられるでしょう。

笑顔を作ると口角が上がり、声が反響しやすくなるのもメリットです。

ハキハキと受け答えをする

電話の受け答えは、ハキハキと相手に聞こえやすいことも大切です。

声がこもって聞こえたり滑舌が悪かったりすると、相手にストレスを与える恐れがあります。オペレーターの受け応えに不備があれば、企業の印象を落としかねません。

また、声が大きすぎると相手が不快に感じる場合があります。

相手が聞き取りやすいようハキハキと、相手にストレスを与えない声のボリュームも意識してください。

3コール以内で電話に出る

電話を受けるときは、3コール以内で出ましょう。

クレームの電話で長い時間待たされるとは、顧客の不満が大きくなり重大なトラブルに発展しかねません。商品の購入を検討している顧客だった場合は、販売のチャンスを失うでしょう。

そこで、電話は3コール以内に出るように意識してください。どうしても電話に出られず、3コール以上になった場合は、「大変お待たせいたしました」と付け加えましょう。

顧客の話を傾聴する

電話対応では、傾聴力も問われます。

傾聴とは、顧客の声に集中することです。ただ話を聞くのではなく、顧客の気持ちや心に寄り添いましょう。

相手の気持ちに寄り添い話を聴くことで、ベストな提案ができ、顧客との良好な関係を築いて顧客満足度の向上にもつなげられます。

顧客からの情報を復唱する

顧客からの情報は復唱しましょう。

通話中にメモを取っていても、聞き違いや聞き漏らしが生じる可能性があります。復唱により、正しい情報を把握できるのがメリットです。

復唱には確認以外にも、顧客の話をきちんと聞いているとアピールする意味合いもあります。しっかりと話を聞いてもらえれば、信頼にもつながるでしょう。

まとめ:電話対応は正しい言葉遣いで丁寧な対応を心がけよう

ヘッドセット装着した男性オペレーター

コールセンターの対応が悪ければ、企業の信用を損ないかねません。特に顔が見えない電話対応は、言葉選びが重要です。

企業の顔として対応するオペレーターには、正しい言葉遣いと顧客の気持ちに寄り添う丁寧な対応が求められます。

本記事で紹介した、電話対応の正しい言葉遣い一覧表を参考にしながら、顧客満足度向上を図りましょう。