「自社でコールセンターを運用したいけど、コストがかかりすぎる」
「なかなかオペレーターを確保できない……」
このような悩みを抱える担当者は多いでしょう。
そうした深刻な悩みも、コールセンターのBPO化により、コスト削減や人材確保といった課題を解消できる可能性があります。
本記事では、コールセンターのBPOの概要や業務内容、アウトドアとの違いについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
コールセンターのBPOとは?
BPO(Business Process Outsourcing)とは、コールセンター業務を外部に委託することです。
コールセンターにおけるBPOでは、電話対応など特定の業務を委託する訳ではありません。その他、運営そのものや人事、経理業務など一連の業務を全て委託します。
自社でコールセンターを立ち上げ運営するには、膨大なコストや手間がかかります。
さらに、オペレーターを確保するためには、本来の業務に加えて採用活動もこなさなければなりません。人材を確保できても教育や研修が必要になれば、生産性が低下する恐れがあります。
そこで、コールセンターをBPO化すれば、コールセンターの立ち上げにかかるコストや手間を削減し、リソースを本来の業務に注力できるでしょう。
コールセンターのBPOとアウトソーシングとの違い
コールセンターのBPOとアウトソーシングでは、目的が異なります。
アウトソーシングは、電話対応のみや営業など単一的業務を委託する一方、コールセンターのBPOは、コールセンター業務の全てを外部に委託します。
また、BPOでは、電話対応以外に人事・営業・経理など、バックオフィス系を丸っと委託するのが特徴です。
仕組み | 目的 | |
---|---|---|
BPO | 一連の業務を一括で外部委託 | 業務効率向上や顧客満足度向上を図る |
アウトソーシング | 単一的業務のみを外部委託 | 人員不足を補う |
オペレーター不足のため電話対応のみを委託したい、といったケースではアウトソーシングが適している場合があります。
コールセンターのBPO化でできること・業務
それでは、コールセンターのBPO化により何を委託できるのでしょうか。主な5つの業務を紹介します。
- テレアポ営業
- 顧客の問い合わせへの対応
- 注文から発送までの業務
- 受電後のサービス手配
- マーケティング調査を実施できる
テレアポ営業
コールセンターのBPO化によって、テレアポ営業が可能になります。
見込み客に対してアプローチする必要性があっても、社内リソース不足ではかないません。
そこでコールセンターをBPO化すれば、社内リソース不足を解消できます。テレアポで見込み客を獲得できれば、売上アップにもつながるでしょう。
顧客の問い合わせへの対応
顧客への問い合わせ対応もBPOで委託できます。
企業の規模が大きくなるほど、顧客からの問い合わせが増えるでしょう。中にはクレームや迷惑電話なども含まれるため、オペレーターの業務負担が大きくなります。
仕事の辛さやストレスは、オペレーターの離職率を高めかねません。
コールセンターをBPO化すれば、社内でオペレーターを確保しなくても、顧客の問い合わせ対応が可能になります。社員の負担軽減も軽減され、人件費の削減にもつながるでしょう。
注文から発送までの業務
通販で商品を販売している企業では、注文から発注までの業務を委託できるのもポイントです。
もし、電話による注文が入った場合は、注文情報の確認や発注、発送までの一連の業務をこなさなければなりません。
しかし、注文から発送までには時間がかかるため、その間生産性が低下する恐れがあります。
コールセンターのBPO化によって、注文から発送までの業務を委託できれば、社員は本来の業務に集中できます。そこで、生産性向上の向上につながるでしょう。
受電後のサービス手配
受電後のサービス手配が可能になるのも、BPO化の特徴です。
基本的にコールセンターで対応できるのは、営業時間内のみとなります。顧客によっては営業時間内に電話をかけられないこともあるでしょう。
電話をかけてもつながらなければ、顧客満足度を低下させかねません。
そこで、コールセンターをBPO化すれば、企業の営業時間外でも対応が可能です。顧客満足度の向上以外にも、社員は電話のためだけに出社しなくて済むため、時間外手当の削減にもつながります。
マーケティング調査を実施できる
BPO化で、マーケティング調査も実施できます。
新規顧客の獲得にはマーケティング調査が欠かせません。しかし、社内リソースが不足していれば、マーケティング調査への対応が困難になります。
また、マーケティング調査はノウハウも必要になるため、誰でもいいわけではありません。
コールセンターをBPO化すれば、最適な人員がマーケティング調査を行うので、費用対効果を高める効果も期待できるでしょう。
コールセンターのBPO化でおさえておきたいポイント
続いて、コールセンターのBPO化でおさえておきたいポイントを5つ解説します。
- 自社の業務形態にマッチしているか
- 対応実績が豊富であるか
- 要望ごとに柔軟な対応ができるか
- セキュリティ対策・リスクマネジメントは万全か
- 導入コストは妥当であるか
自社の業務形態にマッチしているか
BPO化を検討する際は、自社の業務形態にマッチしているかを確認してください。
コールセンターには、インバウンド(受電)とアウトバウンド(架電)があり、それぞれ業務形態が異なります。
委託先によっても対応できる範囲が異なる可能性があるので、はじめに自社の業務形態にマッチしているかを確認しましょう。
対応実績が豊富であるか
BPOサービスとして、対応実績が豊富であるかも重要です。
コールセンターは企業の顔として、さまざまな内容の電話に対応しなければなりません。
BPO化していても、顧客は企業の窓口として電話をかけるため、オペレーターの対応品質が低ければ、顧客満足度の低下につながるでしょう。さらに、企業の信用を落としかねません。
BPO先を決める場合は安心してお任せできるように、対応実績が豊富な委託先を選びましょう。
要望ごとに柔軟な対応ができるか
要望ごとに柔軟な対応ができるかも、注目したいポイントです。
コールセンターには日々さまざまな内容の電話がかかってきます。その中にはイレギュラーな対応が求められるものもあるでしょう。
また、顧客の要望に合わせて柔軟な対応ができなければ、顧客満足度の向上はかないません。
顧客の要望に合わせて、柔軟に対応できるかも確認しましょう。
セキュリティ対策・リスクマネジメントは万全か
セキュリティ対策や、リスクマネジメントが万全であるかも重要なポイントです。
コールセンターでは顧客の個人情報を扱うため、万一情報が流出すれば企業の信用を失う恐れがあります。
外部に依頼するなら、委託先のセキュリティ対策やリスクマネジメントの体制を確認してください。
導入コストは妥当である
そして、導入コストが妥当であるかも確認しましょう。
コールセンター業務を一括で委託できても、導入コストが自社の予算をオーバーすれば続けるのは困難でしょう。
BPOの導入にかかる費用は業者によって異なります。複数社での費用やサービス内容をしっかり比較検討して選んでください。
コールセンターをBPO化するうえの注意点
では最後に、コールセンターをBPO化する際の注意点を紹介します。
- セキュリティ面での情報漏洩リスクがある
- 自社人材の育成が難しい
- 会社方針とズレが生まれる可能性がある
セキュリティ面での情報漏洩リスクがある
BPO化に伴い、セキュリティ面での情報漏洩リスクの確認は欠かせません。
委託先のセキュリティ対策の具体的な内容や、オペレーターのリスクマネジメント意識を確認してください。
なお、外部に委託する際は、自社のコンプライアンスを正確に伝え、徹底して欲しいことを共有しましょう。
自社人材の育成が難しい
コールセンターをBPO化した場合、自社人材の育成が難しくなります。
社内リソースを本来の業務に集中させられるのはメリットですが、ノウハウは蓄積されません。
自社の人材育成も視野に入れているのであれば、委託先に情報共有を依頼し、情報を元にしたマニュアルの整備を検討しましょう。
会社方針とズレが生まれる可能性がある
BPO化により、自社の会社方針とズレが生まれる可能性があるので注意しましょう。
コールセンターのBPO化では、業務を委託先に一任します。自社と委託先の会社方針にズレがある場合、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
お任せする際は、自社の会社方針を伝え、委託先と共有しましょう。
まとめ:コールセンターをBPO化して生産性や品質向上を図ろう
コールセンターのBPO化により、人件費を削減し社内リソースを本来の業務に集中させられるといったメリットが生まれます。
セキュリティ対策やリスクマネジメントの意識を確認するなどの注意点はありますが、実績が豊富な委託先を選べば、顧客満足度向上にもつながるのもメリットです。
コールセンターをBPO化して、生産性や品質向上を図りましょう。