テレアポではトークスクリプトが重要!トークスクリプト作成のポイントは?

テレアポでは、トークスクリプトと呼ばれる営業台本を使用しながら顧客に電話を掛けるのが一般的です。
内容が充実したトークスクリプトを利用することで、テレアポの業務を効率的に遂行でき、成約率を上げることも可能です。
本記事では、テレアポのトークスクリプト作成のポイント等について解説します。
ぜひ参考にしてください。

テレアポでトークスクリプトが必要な理由


まず、テレアポを行ううえで「なぜトークスクリプトが必要なのか」を知っておくことで、トークスクリプトを有意義に活用することができます。
トークスクリプトが必要なのは、以下の理由からです。

営業の質を安定させることができるため

トークスクリプトを使うことで、誰がテレアポを行っても同じような対応が可能になり、営業の質を安定させることができます。反対にトークスクリプトがなければ、個人の裁量で対応が変わり、組織内で営業の質にバラつきが生じます。また、会社として必ずPRしたいポイントを外したまま、テレアポを行ってしまうリスクもあります。
組織全体の営業の質を維持するために、トークスクリプトは欠かせません。

人材育成に掛けるコストを削減できるため

一般的に人材育成には多くのコストがかかりますが、テレアポでは個人がトークスクリプトを読むことで仕事の進め方をある程度学ぶことができます。したがって、人材育成にかかるコストを抑えることができます。トークスクリプトが研修の役割を果たすため、一気に大人数を採用する際も対応しやすくなります。
トークスクリプトの内容を把握し、練習をした後は、実践を通してテレアポに慣れていくことになります。

トラブルを防止できるため

トークスクリプトは、トラブルの防止にも役立ちます。
トーク内容を予め統一しておくことで、担当者が休みの日や退職した場合も、代わりの人が対応しやすくなります。
もし、個人の裁量に依存したテレアポであれば「先日話した担当者と言っていることが違う」とお叱りを受けトラブルにもなりかねません。トラブル対応に時間を取られると、全体の生産性が落ちてしまいます。

話す内容・話し方のニュアンスで迷う必要がなくなるため

トークスクリプトを使うことで、話す内容や話し方のニュアンスを自分で考える必要がなくなり、落ち着いてテレアポに取り組むことができます。
話す内容はもちろんですが、棒読みになるのを防ぐために、話し方のニュアンスも記載しているトークスクリプトは、より実用性があります。
テレアポの仕事を始めたばかりの人は、具体的に「何をどのように話したら良いか」がわかりません。また、顧客がどういった反応をするかもわからないので、新人・ベテラン問わず誰しも常に緊張が伴います。特に顧客からネガティブな反応が返ってきた場合や怒鳴られた場合は、次に何を話せば良いか迷い、思考が停止することもあるでしょう。
しかし、テレアポを行う以上、「顧客の反応に左右されず自信を持ってトークを進めること」が重要です。「トークスクリプトの内容通りに進めていけば良い」と構えることができれば、不安を軽減でき、自信を持って臨めるでしょう。

トークスクリプト作成のポイント


トークスクリプトの内容も重要ですが、予め作成のポイントを押さえることで、より使いやすいトークスクリプトを作成できます。
以下、トークスクリプトの作成に取り掛かる前に、意識するべきポイントについて解説します。

そのまま読んでも使えるように書く

トークスクリプトには、「そのまま読めばOK」という内容を記載しましょう。それには実際の話し言葉を使って記載するのがおすすめです。
例えば、「〇〇を提案する」とだけ書いている場合は、対話の最中に自分で伝え方を考える必要が出てきて、疲労してしまいます。一方、「まず、弊社の〇〇という商品の特徴について説明いたします。」と書いていれば、そのまま読むだけで案内が成り立ちます。

複数のターゲットに応じて作成する

一口に「顧客」といっても性別や年齢、職業、年収、家族構成、趣味等は様々です。そのため、万人向けのトークスクリプトを作成するよりも、ターゲット別にトークスクリプトを複数用意する方が、効果的です。すべてのターゲットを完全に網羅するのは難しくても、年齢であれば20代・30代・40代・50代のように大別することができます。
実際にターゲットを設定するときは、なるべく具体的にしましょう。
例えば、以下のように設定します。

・20代
・男性
・一人暮らし
・中小企業の会社員
・年収450万円
・趣味はゲーム

上記のように実在するようなターゲットを定めることで、その人の普段考えていることやニーズを特定しやすくなります。そして結果的に、想定していたターゲットと実際の顧客がマッチした場合、刺さりやすいトークができます。
自社の顧客となり得る複数のターゲットを設定して、ターゲット別のトークスクリプトを考えましょう。

ネガティブな反応への応答パターンを用意する

テレアポでは、顧客からネガティブな反応が返ってくるケースも多いです。
そのため、ネガティブな反応への応答パターンを周到に用意することこそが戦略になります。
顧客が電話に出た後の最初のトークは、非常に大切です。警戒心を解いて自社に興味を持ってもらうには、まず落ち着いて丁寧に社名と自分の名前を名乗り、合わせて会社の実績等の社会的信用を伝えることが重要です。ネガティブな反応を示しながらも、話を聞いてもらうことができれば、本番のトークに入ることができます。
商品やサービスの魅力を説明した後に「必要ありません」と言われた際は、再度、違う角度から魅力を説明することも有効です。様々なパターンを想定し、トークスクリプトを作成していきましょう。
ネガティブな反応に対する応答パターンを用意して、そのまま読めば良い状態にしておけば落ち着いて対応しやすくなります。

顧客のニーズを聞き出す応答パターンを用意する

テレアポにおいて、顧客のニーズを聞き出すことも重要です。
トークスクリプトを作成する際は、自社の商品やサービスの魅力を伝える内容や成約に繋げるための内容ばかりに気を取られることもあるでしょう。しかし、顧客のニーズを上手に引き出しながら案内を進めない限り、一方的な営業になってしまいます。
そこで、顧客側も話しやすい状況をつくるトークスクリプトを作成しましょう。例えば、「現在、お困りの点はございませんか?」「現時点で、こちらの説明にご不明点はございませんか?」等です。顧客のニーズを聞き出す応答パターンもトークスクリプトに盛り込むことで、自然に双方での対話がしやすくなります。

トークスクリプト作成で使えるツール


トークスクリプトの作成ツールは複数存在します。
なるべく時間を掛けずに質の高いトークスクリプトを作成したい場合は、「トークスクリプトのテンプレート」「トークスクリプト制作ソフト」がおすすめです。
独自性の高いトークスクリプトを一から作成したい場合は、「文書作成ツール」「表計算ツール」「プレゼンテーション資料作成ツール」が向いています。
以下、各ツールの特徴を紹介します。

トークスクリプトのテンプレート

トークスクリプト作成の際は、テンプレートを活用するのもおすすめです。
マーケティング会社等がサイト上で提供しているテンプレートは、完成度が高く、ポイントを押さえた見本です。もちろん、最終的には自社に合わせたオリジナルのトークスクリプトが必要ですが、一から作成するよりも、はるかに効率的です。
テンプレートの内容でそのまま使える部分、変更が必要な部分を見極めて自社用のトークスクリプトを作成しましょう。

トークスクリプト制作ソフト

トークスクリプトの制作ソフトを利用するのも良いでしょう。
現在の制作ソフトは、有用性の高い機能も付いています。
例えば、トークスクリプトの自動作成機能、対話内容の分析機能、顧客データの分析機能等です。
制作ソフトは、短時間で完成度の高いトークスクリプトをつくるのにもってこいのツールです。費用は掛かりますが、導入後のコストパフォーマンスは非常に高いです。
金額や機能は製品により異なるので、吟味してから選ぶことが大切です。

文書作成ツール

代表的な文書作成ツールは、WordやGoogleドキュメントです。
文章を中心にしたトークスクリプト作成に向いています。

表計算ツール

代表的な表計算ツールは、ExcelやGoogleのスプレッドシートです。
フローチャートを作成し、流れをわかりやすくしたトークスクリプトを作成するのにおすすめです。

プレゼンテーション資料作成ツール

代表的なプレゼンテーション資料作成ツールは、PowerPointです。
PowerPointは、スライドごとに必要な情報をまとめやすいのが特徴です。また、挿絵や色づかいにより視覚的に訴えやすいトークスクリプトを作成する際も向いています。

トークスクリプトを利用する際の注意点


トークスクリプトを利用する際は注意すべき点もあります。
以下に挙げる注意点を意識して、トークスクリプトを活用していきましょう。

トークスクリプトを定期的に見直す

トークスクリプトの内容は、定期的に見直して必要に応じて改善をすることも重要です。
質の低いトークスクリプトを組織全体で使い続けている場合、生産性が上がりません。
使用中のトークスクリプトで良い結果が出ていない場合は、早めに内容を変更することが必要でしょう。また、社会状況によって顧客のニーズが変化した場合も、トークスクリプトの見直しは大切です。
見直しには負担を感じることもあるでしょうが、成約率を上げるためであることを意識すると、実施するモチベーションになります。

ロールプレイングをして練習する

トークスクリプトを作成した後は、社内でテレアポ担当者役と顧客役を決めてロールプレイングをすることも大切です。ロールプレイングの実施により、顧客の視点に立つことができ、作成したトークスクリプトの良し悪しを客観的に見ることができます。
また、トークスクリプトを定期的に見直す重要性について上述しましたが、見直しの際もロールプレイングの実施は有効です。

棒読みにならないように気を付ける

トークスクリプトはテレアポを行う際に欠かせないものですが、内容を読むことだけに集中すると棒読みになりやすいです。棒読みの案内では、顧客にも「マニュアルを読んでいるだけ」という悪印象を与えてしまいます。
緊張しているときは、トークスクリプトの内容を読むだけでも精一杯になります。そのため、練習やロールプレイングの際には抑揚をつけてトークスクリプトを読むようにして、本番にも活かしましょう。話し方に抑揚がないと、顧客側は対話をしている実感を得られません。
話し方のニュアンスに関しては、色や印で示して視覚的にわかりやすくしておくことも良いでしょう。例えば「ゆっくり丁寧に話す部分には赤線」「テンポよく話す内容には青線」といった使い分けがおすすめです。

丸暗記せず大まかな流れを掴んでおく

一見、トークスクリプトを丸暗記する方がスムーズな案内ができるように思えるかもしれません。しかし、丸暗記する必要はなく、大まかな流れを掴んでおくので十分です。
丸暗記をしようとすると、それだけで時間を費やしてしまいます。さらに、丸暗記したトークばかりが頭の中にある状態となり、柔軟な対応が難しくなります。
テレアポで重要なのは、顧客との対話を一番大切にしたうえで、適切にトークスクリプトを参考にしながら案内を進めていくことです。

まとめ

トークスクリプトは、テレアポで重要な役割を持ちます。テレアポ担当者は全員、同じトークスクリプトを利用するため、営業の質はトークスクリプトの内容にかかっています。
トークスクリプトの作成は、事前にポイントを押さえ、効率的に進めましょう。
また、トークスクリプトの定期的な見直しも、テレアポ業務の一環です。
最初から完璧なトークスクリプトを作成するのは難しいので、ロールプレイングや日々の実践を通してブラッシュアップしていきましょう。