潜在顧客とは?効果的な発掘方法やアプローチのポイントについて徹底解説

「潜在顧客とは、どのような顧客を指すの?」
「潜在顧客には、どのようにアプローチをかけたらいいの?」

営業活動を遂行するなかで、こうした疑問をお持ちの方もいるでしょう。潜在顧客へアプローチする際は、まず潜在顧客の特徴をよく理解することが大切です。

本記事では、潜在顧客の特徴や効果的な発掘方法・アプローチのポイントについて徹底解説します。ぜひ最後までお読みください。

潜在顧客とは

潜在顧客とは、まだ自社の商品やサービスを認知していないものの、見込み客になり得る可能性のある層のこと。

顧客自身に悩みや目的はあるものの、その解決策がわからない、もしくは具体化されていない状態です。

よって、潜在顧客に対して最適なアプローチをかけられれば、購入に至る可能性を秘めています。

顕在顧客との違い

顕在顧客は、潜在顧客とは異なり、自身のニーズや必要な商材についてはっきりと認知している顧客です。

そのため、自身のニーズを満たす商材への関心が高まっています。また、既にその商材を利活用している顧客も含まれます。

見込み顧客との違い

見込み顧客は潜在顧客と違い、自身のニーズを自覚しており既に自社商材に関心も持っている顧客を指します。

なお、マーケティング用語では「リード」と呼ばれます。

潜在顧客を獲得するメリット

潜在顧客を獲得するメリットは、大きく3つあります。

  1. 顕在顧客よりも競合が少ない
  2. 新たなニーズ開拓につながる
  3. 強大な信頼関係を築ける

顕在顧客よりも競合が少ない

まず潜在顧客は、現状ターゲットが明確化されておらず、顕在顧客よりも競合は少ないです。
そのため、上手に誘導すれば自社との成約率を上げることができます。
潜在顧客を顕在顧客へと育成することにより、競合他社よりも優位に立てるでしょう。

一方、顕在顧客は既に競合が狙っている対象です。競合他社よりも訴求力が劣る場合は、他社に顕在顧客を取られてしまう可能性があります。

新たなニーズ開拓につながる

潜在顧客の獲得は、新たなニーズ開拓にもつながります。
潜在顧客を獲得する際は、必然的に顕在顧客へのアプローチとは異なる方法を用いることになるでしょう。

例えば、地域密着型でサービスを提供してきた企業が新たにWeb経由で潜在顧客を獲得するケースが該当します。Web経由のアプローチであれば、地域を問わず多くの潜在顧客に自社の情報を届けられます。

その過程で、新たに他地域や海外の潜在顧客のニーズを発見できる場合もあるでしょう。新たなニーズを開拓できれば、自社のビジネスチャンスも広がります。

強大な信頼関係を築ける

潜在顧客は、強大な信頼関係を築きやすい顧客です。

潜在顧客との接点を増やし、時間を掛けてニーズを引き出していくことで、自社商材への関心と信頼を得やすくなります。
強大な信頼関係は安心にもつながるので、他社商材と比較をした場合も最終的に自社商材を選んでもらえる可能性が高くなるでしょう。

さらに、他の自社商材を合わせて利用してもらえることも期待できます。

潜在顧客の発掘手順3ステップ

潜在顧客の発掘手順は以下の3ステップがおすすめです。

  1. STP分析を使う
  2. カスタマージャーニーマップを作成する
  3. 媒体でPRをする

STP分析を使う

STP分析とは、以下の3つの視点から営業戦略を立てる手法で、潜在顧客を発掘する際にも有効です。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化する
  • Targeting(ターゲティング):ターゲットを決める
  • Positioning(ポジショニング):自社のポジションを見極める

まずは、市場を細分化する「セグメンテーション」から始めましょう。

例えば、個人と法人ではそれぞれ以下のような項目で分類できます。

個人 年齢層
性別
居住地
職業
年収
家族構成
趣味
法人 業界
資本金
従業員数
売上業績
営業地域
課題
社風

次に、「ターゲティング」ではセグメンテーションで設定した項目をもとに、自社の潜在顧客像をつくります。

例えば、個人の場合では「20代」「男性」「大阪府在住」「会社員」、企業の場合は「IT業界」「資本金1,000万円」「従業員数800名程度」などのように設定しましょう。

そして「ポジショニング」では、潜在顧客像に響くような自社商材のPRポイントを決定します。STP分析により、想定した潜在顧客像へどのように自社をPRしていくのかをイメージしやすくなります。

カスタマージャーニーマップを作成する

次にカスタマージャーニーマップを作成しましょう。

カスタマージャーニーマップとは直訳すると「顧客の旅の地図」の意味で、顧客が自分のニーズを満たす商材を認知した後、購買に至るまでの道のりを表したマップです。

カスタマージャーニーマップを作成すると、潜在顧客がどのようなプロセスを経て見込み顧客となっていくかが想定でき、潜在顧客像をイメージしやすくなります。

また、顧客視点で購買行動プロセスを把握できるため、より良いアプローチ方法や改善点を可視化する際にも有効です。

媒体でPRをする

潜在顧客のイメージが固まった後は、媒体でPRをしましょう。媒体でのPRがあってはじめて、潜在顧客へ自社の情報を届けられます。

具体的な媒体については以降の「潜在顧客へ有効な8つのアプローチ方法」で紹介しますが、適切な手段で潜在顧客の発掘を進めていきましょう。

潜在顧客へ有効な8つのアプローチ方法

それでは、潜在顧客へ有効な8つのアプローチ方法を紹介していきます。

  1. オウンドメディアで情報発信する
  2. SNSを活用する
  3. 広告を出す
  4. メルマガやホワイトペーパーを活用する
  5. プレスリリースをする
  6. 展示会を開催する
  7. セミナーを開催する
  8. 営業する

オウンドメディアで情報発信する

まず、企業メディアであるオウンドメディアで情報発信する方法があります。

オウンドメディアでは、型にはまることなく自社のオリジナルコンテンツを発信することができます。

しかし、どんなに優良なコンテンツを発信しても顧客の目に触れなければ意味がありません。
そこで、質の高いオウンドメディアを構築し、検索結果の上位で表示されるようにする「SEO対策」も重要です。

SNSを活用する

SNSの活用も潜在顧客の発掘に役立つ方法です。

SNS運用をする最大のメリットは、登録から運用まで無料で行えること。それにも関わらず、SNSは拡散性が強く多くの人の目に触れるため、潜在顧客への効果的なアプローチにもつながります。

興味関心のありそうな親近感を持てる内容を継続的に発信し、多くのユーザーからの反応を獲得しましょう。

一方、ネガティブな情報もすぐに拡散されやすい点には十分注意しましょう。一度炎上してしまうと、自社のイメージが大きく損なわれてしまいます。
投稿前には、「内容に問題がないか」を見直すことがおすすめです。

広告を出す

予算に余裕があるなら、広告出稿の選択肢もあります。

昨今は、紙媒体の広告だけではなくWEB広告も積極的に活用されています。

例えばリスティング広告は、特定のキーワードに対する検索結果として表示される広告です。そのため、インターネットでリサーチしている潜在顧客に自社の情報を届けやすくなります。多額の費用が掛かる場合もありますが、有用な方法でしょう。

メルマガやホワイトペーパーを活用する

メルマガやホワイトペーパーを活用するのも有効な手段です。

メルマガは、企業が自社のサイトや広告などで購読者を集め、登録をしてくれた人にメールで情報を配信する手法です。
ホワイトペーパーとは顧客にとって役立つ商材の情報を集めた、無料の資料です。

メルマガ・ホワイトペーパーともに読者は個人情報を入力することになるため、潜在顧客の情報収集になる点がメリットです。

プレスリリースをする

プレスリリースも選択肢の一つです。

プレスリリースとは、自社商材を新聞やニュースサイトなどで取り上げてもらうことです。はじめから多くの人の目に触れるメディアを活用するため、潜在顧客へ自社の情報が届きやすくなります。

展示会を行う

展示会の実施は、実際に自社商材に触れてもらえるため、こちらも有効手段です。

展示会では顧客と対面での接点を持つことができ、直接的に自社商材の魅力を伝えられます。
コストが高くなりやすいのは難点ですが、可能な範囲で展示会を企画するのもおすすめです。

セミナーを開催する

セミナーの開催も、自社商材を周知するのに適しています。
現在は、オンラインでのセミナー開催も盛んです。

無料参加制にする場合は集客しやすい反面、キャンセルが多くなる点には注意が必要です。参加者特典を用意するなどの工夫を凝らして、セミナーの開催を有意義なものにしましょう。

営業する

直接的に営業をするのも選択肢です。

断られることが多いですが、情報提供をすることで自社商材を認知してもらえる可能性が高くなります。

潜在顧客に関しては、アポ獲得や売込に重きを置くのではなく、ニーズのヒアリングを重視しましょう。ヒアリングで拾ったニーズを、その後のアプローチに活かせます。

また、テレアポによる営業も有効です。テレアポの成功率は0.1%~10%程度と、決して高いとは言えません。

しかし、日々継続的な架電の実施により、自社の情報を多くの潜在顧客に認知してもらえるきっかけを届けられるのが利点です。

潜在顧客へアプローチするうえでのポイント

潜在顧客へのアプローチで大切な4つのポイントを紹介していきます。

  1. 顕在顧客になるまでは多くの時間がかかる
  2. 顧客の興味関心に合わせたアプローチをする
  3. 反応がないアプローチ方法は継続しない
  4. フォローアップも大切にする

顕在顧客になるまでは多くの時間がかかる

まず、潜在顧客から顕在顧客へ育成するためには、多くの時間をかけなければいけません。場合によっては、中々顕在顧客にならないと苦悩する時期もあるでしょう。

ですが、顧客のフェーズごとに適切なアプローチをかけ続けることで、着実に興味関心を抱いてもらえます。

上述した「潜在顧客へ有効な8つのアプローチ方法」を活用しながら、長期的なスパンで潜在顧客と向き合いましょう。

潜在顧客の興味関心に合わせたアプローチをする

潜在顧客の興味関心に合わせて、アプローチを行いましょう。
一括りに「潜在顧客」と言っても、やはり興味関心には個人差があります。

そこで潜在顧客のターゲット像を複数パターン想定すれば、興味関心に合わせたアプローチを実行しやすくなります。

反応がないアプローチ方法は継続しない

反応がないアプローチ方法は継続しないようにしましょう。
なぜなら、反応がないアプローチを続けても時間や労力の無駄になり、潜在顧客を他社に取られてしまうリスクもあるからです。

現在のアプローチ方法で手応えを感じないのであれば、潔く他のアプローチ方法も積極的に取り入れてください。そして、潜在顧客の反応を少しでも得ることを目標にしましょう。

フォローアップも大切にする

潜在顧客から顕在顧客化した後のフォローアップも、欠かしてはいけません。
特に、顕在顧客になったばかりの段階は自社商材への関心がやっと芽生えた程度です。人によっては、他社商材との比較検討を始めることもあるでしょう。

そこで大切なのは、定期的に自社商材の情報を届けて認知してもらうことです。
また、自社への問い合わせがあった際は、迅速かつ丁寧な対応を心掛けましょう。

まとめ

一見、潜在顧客は自社の売上に直結しないように思えるでしょう。
しかし潜在顧客は、育成方法次第で将来的に自社の顕在顧客や見込み顧客となりうる存在です。

潜在顧客に対する有効なアプローチ方法は複数存在しています。
STP分析やカスタマージャー二―マップを活用しながら、自社の潜在顧客への有効なアプローチ方法を探っていきましょう。

潜在顧客が顕在顧客になるまでは時間や労力が掛かることを念頭に置き、焦らず着実に対応していく姿勢が重要です。