「営業支援とは、実際にどのようなことをするの?」
「営業支援の具体的な手順について知りたい…」
このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
営業支援とはその名の通り「営業を支援する活動」であり、営業の成功率を高めるために実施されます。
本記事では、営業支援について詳しく紹介します。営業支援の導入手順のステップや注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
営業支援とは
営業支援とは、営業活動を効率化して生産性の向上を図るための活動です。「営業」と一口に言っても様々な業務がありますが、顧客対応と事務作業に大別されます。
営業の成功確率を高めるには、できる限り顧客対応に注力しなければいけません。だからこそ、なるべく事務作業の負担は軽減する必要があります。したがって、営業支援を行う目的は「営業担当者が顧客対応に集中できるような環境を整えること」です。
なお、営業支援では営業支援ツール(SFA)を導入・利用することが一般的です。
営業支援を実施するメリット
営業支援の実施には、以下のようなメリットがあります。
- 営業コアタイムを拡大できる
- 売上アップにつながる
- 営業担当者のモチベーション向上につながる
- 営業ノウハウの蓄積がしやすい
営業コアタイムを拡大できる
まず、営業支援の実施により、営業コアタイムを拡大できます。
営業コアタイムとは「顧客と商談をしている時間」「顧客と電話している時間」「顧客にメールを書いている時間」など、直接的な顧客対応をする時間のことです。
それまで事務作業に費やしていた時間や労力をコア業務に回せば効率が上がり、結果的に営業担当者の負担軽減にもつながります。
売上アップにつながる
営業コアタイムが拡大すれば、売上のアップにもつながります。
顧客とのコミュニケーションに時間や労力を割くことで、売上アップの要素である「訪問数の増加」や「商談の質向上」などが可能です。
営業担当者のモチベーション向上につながる
また、営業支援の実施は、営業担当者のモチベーション向上にもつながります。
コア業務にいっそう集中できる環境に身を置いてもらうことで営業活動における質の底上げも期待できるでしょう。
営業ノウハウの蓄積がしやすい
営業支援ツールを活用することにより、営業ノウハウを蓄積しやすくなります。
従来の営業活動は属人化する傾向が強く、ノウハウの蓄積や共有がしづらい状態でした。多忙な営業活動のなか、ノウハウを蓄積する作業までは手が回らないのが実情でしょう。
蓄積された営業ノウハウは、営業スキルの均質化や新人教育に役立てられます。
営業支援の正しい導入手順4ステップ
続いて、営業支援の正しい導入手順を、以下の4ステップで紹介していきます。
- 営業プロセスを整理する
- 営業活動の課題を可視化する
- 必要な営業支援を特定する
- 営業支援ツール(SFA)を導入する
営業プロセスを整理する
まずは自社の営業プロセスを改めて書き出し、整理しましょう。
一般的な営業プロセスは、以下のとおりです。
- アポ獲得
- 初回訪問
- 提案
- 商談
- クロージング
- 受注
営業プロセスを整理すれば、改善すべき要素を把握しやすくなります。
営業活動の課題を可視化する
改善すべきプロセスが整理できたら、営業活動の課題を可視化しましょう。
日々の営業活動を客観的に見直すと、自ずと課題が見えてくることも多いです。
例えば、「必要だと思って実施し続けていたプロセスが実は余計だった」「初回訪問に向けた事前準備が不足していた」などの課題が挙げられます。
このように課題を洗い出すことで営業支援の実施につなげていきます。
必要な営業支援を特定する
営業活動の課題を可視化した後は、必要な営業支援を特定する作業に入ります。
まず、無駄だと判明したプロセスがある場合は、思い切って省いてしまうのが得策でしょう。必要なプロセスについては、従来よりも作業負担を減らすことを検討するのがおすすめです。
また、1人の営業担当者に多大な負担が掛かっているプロセスがあれば、分担を見直すことも良いでしょう。
営業支援ツール(SFA)を導入する
そして営業支援ツールの導入をしてください。
営業支援ツールとは、営業活動を効率化するツールのこと。営業支援ツールでは、営業活動の情報管理や業務プロセスの自動化ができるため、営業支援の成功確率をより高められます。
また営業支援ツールと言っても多くの種類があるため、自社に適した製品を選ぶことが重要です。自社課題の解決になる機能が付いた営業支援ツールを積極的に検討しましょう。
営業支援ツールは操作性や費用もさまざまなので、慎重に選ぶことが大切です。
「おすすめの営業支援ツール」「営業支援ツールの選び方」についてはこちらの記事でも紹介しているので、参考にしてください。
営業支援ツール(SFA)のおすすめ9選!失敗しない選び方も徹底解説
営業支援ツールの機能例
営業支援ツールにはさまざまな便利機能が搭載されています。ここでは、主な機能の一部を紹介します。
- タスク・スケジュール管理機能
- 名刺管理機能
- 書類の自動作成機能
タスク・スケジュール管理機能
まず、営業支援ツールではタスクやスケジュール管理機能があります。
営業支援ツールのToDoリストに登録したタスクは「未着手」「進行中」「完了」などと進捗状況もラベリングできます。
また、営業支援ツール上のカレンダーにスケジュールを登録しておくことで、顧客との約束やタスクの締め切りなどの一括管理が可能です。顧客対応に追われるなかで、営業担当者がタスク・スケジュールをすべて自己管理するのは、負担になりやすいでしょう。場合によってはタスクやスケジュールを忘れてしまうリスクもあります。
しかし、タスク・スケジュールの管理を怠れば顧客からの信用を失いかねません。
そこで営業支援ツールのタスク・スケジュール管理機能を利用すれば、各タスクの期限や優先度・営業スケジュールなどが可視化されやすくなります。
名刺管理機能
名刺管理機能も便利です。
多くの人と名刺交換をする営業担当者にとって、名刺管理は大きな負担になります。
名刺管理機能により、スキャナーで名刺の情報を読み取り、自動でデータ化して管理することが可能です。
書類自動作成機能
また営業支援ツールには書類自動作成機能も搭載されています。
営業活動において、見積書や契約書、納品書、請求書など、多岐にわたる書類を作成します。こうした書類作成には膨大な時間を要するでしょう。
しかし書類作成機能により、入力ミスの防止や作業の負担軽減が見込めるほか、書類の一元管理も叶えられます。
営業支援を導入するうえでの注意点
営業支援を導入するうえでは、以下3つのポイントに注意しましょう。
- 営業担当者の負担増加は防ぐ
- 営業担当者の声を反映させる
- 利用目的やシーンの周知を徹底する
営業担当者の負担増加は防ぐ
最も注意すべきポイントとして、営業担当者の負担が増えるような状況は徹底して減らしましょう。そもそも、営業支援は、担当者が背負う負担の軽減が目的です。
営業支援が負担増加になる例として、営業支援ツールの利用に慣れず戸惑う場合が挙げられます。対策として、営業支援ツールの入力項目を最小限に絞るなどの配慮を心掛けましょう。
営業担当者の声を反映させる
営業担当者の声も、しっかりと反映させましょう。
そもそも実際に営業する担当者が望むような支援内容でなければ実行に移せません。
マネジメント層や上層部が好む内容で管理しようとすれば、担当者の負担だけでなくストレスも蓄積されてしまうでしょう。
そこで、営業支援の導入前に、営業担当者にきちんとヒアリングを行う時間を設けることが大切です。現場の業務実態やリアルな声を反映し、適切な営業支援の導入を検討してください。
利用目的やシーンの周知を徹底する
営業支援ツールの利用目的やシーンの周知も徹底しましょう。営業担当者が営業支援ツールに対する共通理解を示せば、定着も進めやすくなります。
例えば「営業支援ツールの導入によって後々に営業効率の向上が図れること」や「営業担当者をはじめとするスタッフの声を汲み取ること」を事前に説明しておくと納得した状態で取り入れられるでしょう。
まとめ
営業の効率化や売上アップに、営業支援の実施は有効です。
ただし、効果があるからといって、管理だけを目的とした支援はデメリットしかありません。きちんと現場の業務実態やスタッフの状況を把握したうえで導入を検討しましょう。
また、営業支援にはツールの利用は欠かせません。事前に洗い出した自社の課題や目的に応じて必要な機能を明確化し、最適なツールの導入につなげましょう。
営業担当者の意向を汲み取りつつ、試行錯誤しながら営業支援を定着させていってください。