「外出中や出張中は大切なお客様からの電話に対応できない……」
「テレワークの導入を検討しているが、電話連絡に関する課題がある」
このような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか？
固定電話を転送する方法はさまざまです。その1つの手段として、電話転送サービスを利用すれば、会社の固定電話にかかってきた電話を転送できます。
しかし、種類が多いと、何を基準に選べばいいかわからない担当者も多いでしょう。
そこで本記事では、固定電話を転送する5つの方法を紹介します。おすすめサービスや5つのクラウドPBXも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
電話転送サービスとは？
電話転送サービスとは、固定電話にかかってきた電話を別の電話番号に転送するサービスです。
転送先は、固定電話以外にも携帯電話やFAXなど用途に合わせられるのもポイント。予め転送先の電話番号を登録しておけば、電話対応のためだけに会社に戻る必要はありません。
転送先を自宅の固定電話や携帯電話に設定しておけば、テレワークにも対応できます。
電話転送サービスを導入すれば、どこにいても大切なお客様からの電話に対応できるので、ビジネスチャンスを逃さずに済むでしょう。
ただし、無料の固定電話の転送サービスはないため、受信側も手数料がかかるのが留意点です。
電話転送サービスの種類
電話転送サービスの種類には、いくつかの選択肢があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 選択転送 | 端末から手動で転送する |
| 無条件転送 | かかってきた全ての電話を転送する |
| 通話中転送 | 通話中にかかってきた電話を転送する |
| 圏外転送 | 圏外や電源が入っていないときに転送する |
| 無応答転送 | 電話に出られないときのみ転送する |
用途によって選択肢は異なるので、自社に合う種類を見極めてください。
固定電話から携帯電話に転送する5つの方法
それでは、固定電話から携帯電話に転送する5つの方法を紹介していきます。
- クラウドPBXを利用する
- 電話転送サービスを利用する
- 電話転送アプリを使用する
- 転送機能が付属の電話機を使用する
- IP電話を使用する
クラウドPBXを利用する
クラウドPBXは、インターネットを利用して電話を転送するサービスのこと。複数の拠点がある企業でも、PBXひとつで全て対応できます。
電話回線では、内線や外線の共有しかできません。そこで、クラウドPBXを活用すれば、本社から支店、固定電話からスマホやタブレットへ転送できます。
クラウドPBXは、スマホを内線代わりに利用できるのもポイントです。
電話転送サービスを利用する
オフィスの電話から携帯電話に転送したい場合は、電話転送サービスを利用するのも選択肢のひとつです。
代表的な電話転送サービスを7つ紹介しますので、ぜひ比較してみてください。
| サービス名 | 月額料金（税込） | 工事費 | 通話・通信料 |
|---|---|---|---|
| NTT｜ボイスワープ | ひかり回線：550円 アナログ/ISDN回線：住宅用550円/事務所用880円 |
ひかり回線：2,200円 アナログ/ISDN回線：不要 |
発信者～転送先：発信者が負担 転送元～転送先：契約者の負担 |
| KDDI｜着信転送 | 550円 | – | 発信元～転送元：発信元が負担 転送元～転送先：契約者の負担 |
| NTT西日本｜ボイスワープ/INSボイスワープ ※ボイスワープ利用中の方 |
住宅用550円・事務所用880円/ 1契約者回線毎 | – | 発信元～転送元：発信元が負担 転送元～転送先：契約者の負担 |
| J:COM｜PHONEプラス | 550円 | – | 発信者～転送元：発信者 転送元～転送先：自己負担 |
| ドコモ｜転送でんわサービス | 無料 | – | 海外から操作を行った場合のみ国際通話料がかかる |
| ソフトバンク｜多機能転送サービス | 880円 | – | 発信元～転送元：発信元が負担 転送元～転送先：契約者の負担 |
| 楽天モバイル｜着信転送 | 0円 | – | 転送中は転送元に通話料がかかる |
NTTやKDDI、ドコモなど、大手の固定電話・携帯電話会社が運営しているため、安心して利用できます。
なお、電話転送サービスを利用する場合、使用している回線事業者のサービス利用が一般的です。
回線事業者を確認したうえで導入を検討してみましょう。
電話転送アプリを使用する
固定電話から携帯電話に転送するには、電話転送アプリの使用も選択肢の1つです。
iPhoneやAndroidのどちらにも対応しているアプリも多くあり、中には無料で使用できるものもあります。
ただし、OSが限定されるアプリもあるので、使用する前に対応しているかを確認してください。
転送機能が付属の電話機を使用する
オフィスの電話機に転送機能が搭載されていれば、携帯電話への転送が可能です。
パナソニックやシャープなど、大手メーカーから発売されているビジネスフォンには転送機能が搭載されているものがあるのでチェックしてみてください。
IP電話を使用する
そして、IP電話を使用するという選択肢もあります。
中にはIP電話をスマホアプリで使用できるものもあるので、スマホを内線代わりにできるのも利点です。
電話転送サービスを導入する4つの注意点
続いて、電話転送サービスを導入する際の注意点について解説します。
- 転送の際に受ける側にも通話料がかかる
- 一度に1回線しか転送できない
- その場での取次や折り返しができない
- 1人に電話対応が集中する
転送の際に受ける側にも通話料がかかる
電話転送サービスは、転送の際受け取る側に通話料がかかることに留意しましょう。
通常の電話であれば、電話を受ける側に通話料は発生しません。転送された電話がセールスや間違い電話だった場合、余計なコストがかかります。
一度に1回線しか転送できない
電話転送サービスは、一度に1回線のみです。転送した電話を、さらに転送することもできません。
設定しておいた転送先で電話に出られない場合、電話の取りこぼしが起きる恐れがあります。
その場での取次や折り返しができない
電話転送サービスは、その場で電話の取り次ぎができないので注意しましょう。
受電者以外にかかってきた電話の場合、必ず担当者に電話があったことを伝えなければなりません。その際、内容をメモとして書き留めておき、担当者に伝えるといった手間がかかります。
1人に電話対応が集中する
電話転送サービスは、1人に電話対応が集中する恐れがあります。
離れた場所にあるオフィスに転送できるのは便利ですが、電話対応が1人に集中すれば、該当者に業務負担が大きくなるのは懸念点でしょう。
クラウドPBXの電話転送サービスなら従来の課題を解決できる
電話転送サービスは便利な反面、課題があるのも事実です。
そこで、インターネットを利用するクラウドPBXなら、さまざまな端末を使いどこからでも電話を受け取れます。
複数人で電話を受け取れるうえ、取り次ぎもその場でできるため、業務の手間は増えません。
内線通話が無料なのでコスト削減効果も期待できるうえ、従来の課題を解決できます。
クラウドPBXの電話転送サービスおすすめ5選
それでは、クラウドPBXの電話転送サービスおすすめ5選を紹介します。
- トビラフォンCloud
- ナイセンクラウド
- GoodLine
- OSORA
- MOT/TEL
トビラフォンCloud
| 運営会社 | トビラシステムズ株式会社 |
|---|---|
| 料金（税込） | 2名で利用：初期費用33,000円/月額3,300円 20名で利用：初期費用88,000円/月額37,400円 |
| 通話料 | 国内一般加入電話：8.8円/3分 国内携帯電話：17.6円/1分 内線通話・転送：無料 IP電話転送サービス：8.8円\3分 |
| 機能 | ナンバーポータビリティ アプリで電話番号の使い分け 迷惑電話のフィルタリング 発信元特定など |
トビラフォンCloudは、ビジネスフォンを便利で快適にするクラウドPBX電話転送サービスです。
固定電話の電話番号そのままにスマホでも発着信が可能なので、場所にとらわれません。
個人スマホがあれば、アプリで電話番号の使い分けも簡単です。
30,000件以上のデータを元に、セールスや迷惑電話につながる可能性がある着信を事前に通知してくれるので、業務効率向上にもつながるでしょう。
ナイセンクラウド
| 運営会社 | アイティオール株式会社 |
|---|---|
| 料金（税込） | ライト（1人用）：初期費用11,000円/月額2,200円 ペア（少人数）：初期費用11,000円/月額5,500円 プロ（中規模以上）：初期費用11,000円/月額11,000円 |
| 通話料 | 8円/3分～ |
| 機能 | どこでも03や06、0120局番で発着信 内線通話無料 外線通話固定料金 複数端末で一斉着信など |
ナイセンクラウドは、パソコン・スマホ・IP電話などに対応しているクラウドPBX電話転送サービスです。
ヘッドセット運用も可能なので、コールセンター業務にも対応します。
外線からの電話の場合、電話をつなげたまま登録済の他の端末への引き継ぎが可能。本社から他支店への取り次ぎもスムーズです。
GoodLine
| 運営会社 | 株式会社Good Relations |
|---|---|
| 料金（税込） | GoodLineSOHO:初期費用22,000円/基本料金0円/月額3,300円 GoodLine：初期費用11,000円/基本料金5,500円/月額1,100円 GoodcCll：初期費用11,000円/基本料金5,500円/月額4,400円 |
| 通話料 | 1秒課金プラン：0.1円/1秒（※1通話1円） 1分課金プラン：3.8円/1分 3分課金プラン：8円/3分 |
| 機能 | 発信番号設定 着信番号設定 グループ着信 時間差着信 キューイング（待ち呼） 通話保留転送など |
GoodLineは、ビジネスフォンからコールセンターまで、幅広い用途に対応するクラウドPBX電話転送サービスです。
2端末までの小規模プランや、3端末以上のスタンダードプラン、1席から導入できてコールセンターを構築できるプランもあります。
従来のビジネスフォンやコールセンターシステムでは実現できなかった機能や、類似サービスにはない独自機能を標準搭載しているのも魅力でしょう。
OSORA
| 運営会社 | 株式会社Scene Live |
|---|---|
| 料金（税込） | 初期費用・110,000円～ 月額費用：基本料金11,000円/URL・端末料金：1,100円/台～ +回線料金・通話料金 |
| 通話料 | 固定電話：発信・着信（フリーダイヤル）7.8円/3分 固定電話以外：発信・着信（フリーダイヤル）15円/1分 公衆電話：着信30円/1分 オートコール：着信20円/固定電話3分・20円/携帯1分 |
| 機能 | 選通話録音 モニタリング 転送 留守番電話 3者間通話など |
OSORAは、幅広い用途に対応しているインバウンド向けのコールシステムです。
基本料金で利用できる機能の中に、転送も含まれています。
オペレーター間の通話転送となりますが、他にもさまざまな機能を基本料金で利用できるのがポイント。コストをおさえたい企業に適しています。
MOT/TEL
| 運営会社 | 株式会社バルテック |
|---|---|
| 料金（税込） | スタンダード：初期費用32,780円/月額4,378円 ミドル：初期費用43,780円/月額9,350円 プレミアムA：初期費用65,780円/月額16,500円 プレミアムB：初期費用98,670円/月額41,800円 プラチナ：初期費用164,450円/月額104,500円 |
| 通話料 | 国内3分8円 |
| 機能 | スマホ内線化 パソコン電話（インストール型・ブラウザ型） 卓上電話機 代表番号発着信 着信拒否など |
MOT/TELは、社内はもちろんのこと、在宅勤務や出張先まで幅広いシーンで利用できるクラウドPBX電話転送サービスです。
普段使っているスマホから会社番号での発信ができるので、ビジネスフォンの機能をスマホで実現しています。
さらに、携帯電話からは個人の番号で、MOT/TELアプリを使えば会社の電話番号での発信も可能。普段使っているスマホを活用できるので、法人携帯のコスト削減になるのも嬉しいポイントです。
電話転送サービスを利用するメリット
では最後に、電話転送サービスを利用する3つのメリットを紹介します。
- 転送の通信料が無料でできる
- 着信元を事前に判明できる
- 別の担当者に取り次げる
転送の通信料が無料でできる
電話転送サービスのメリットは、クラウドPBX転送の通信料が無料でできることです。
従来の方法では、転送の際に通話料が発生するのが課題でした。
そこで、クラウドPBXを利用すれば転送の通信料が無料になります。コスト削減を図りたい企業にも適しているでしょう。
着信元を事前に判明できる
クラウドPBXは、着信元を事前に判明できます。
着信時には発信元番号が表示されるため、その電話が会社宛か私用なのかを判断に困りません。
また、電話に出られなかった場合でも、着信元が分かればすぐに折り返しもすぐにできるでしょう。
別の担当者に取り次げる
クラウドPBXは、別の担当者に電話を取り次げるため、電話対応のために出社する必要がありません。
従来の電話転送サービスでは、担当者がいないと電話を取り次げませんでした。受電者が担当者にメモや伝言する必要があるため、手間がかかります。
クラウドPBXなら、接続しているデバイスに取り次げるので、別の担当者への取り次ぎもスムーズです。
まとめ：電話転送サービスは自社に最適なものを利用しよう
電話転送サービスを利用すれば、出張先や他のオフィスでも担当者が受電できるので、電話に出れず相手を待たせるといったリスクもほとんどありません。
オフィスの固定電話から、携帯電話やFAXへの転送も可能です。クラウドPBXなら、接続しているデバイスなら場所を問わず通話できます。
本記事で紹介した内容を参考にしながら、自社に最適な電話転送サービスを選んでください。
