営業目標設定を立てる!代表的な手法や活用のポイントを紹介

「営業目標設定の具体的な方法は?」
「営業目標はどのように活用したら良いの?」

そのような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

営業目標を設定すると、起こすべきアクションや改善点が明確になります。そのうえ、社員の一人ひとりの指針にもなるため、営業活動を進めるうえで欠かせません。

そこで本記事では、営業目標設定の代表的な手法や活用のポイントを紹介します。ぜひ最後までお読みください。

営業目標設定が重要な理由

営業目標設定が重要な理由は、大きく以下の4つです。

  1. 会社のビジョンに近づくため
  2. 利益を確保するため
  3. 営業担当者のモチベーション維持・向上のため
  4. 生産性向上のため

会社のビジョンに近づくため

営業目標設定は、会社のビジョンに近づくための重要な手段です。

営業目標設定をする際は、会社のビジョンを達成するための具体的な行動や目標値を掲げます。

「経営理念」で表されるビジョンは、抽象的であることが多いです。そのため、業務ベースで具体的にやるべきことや目指すべきゴールが定まっていなければ、ビジョンは実現させられません。

定まった営業目標に沿って日々業務を遂行すれば、自然と会社のビジョンに近づいていきます。

利益を確保するため

営業目標設定をするのは、利益を確保するためでもあります。
安定した利益なくして、会社の経営は維持できません。

利益を確保するために達成すべき売上額などを、営業目標設定で明確にしておきましょう。

営業担当者のモチベーション維持・向上のため

営業目標設定は、営業担当者のモチベーション維持・向上にもつながります。

目標が定まっていなければ、具体的なゴールが分からず営業活動を行う中で気持ちに乱れが生じてしまいます。

また、目指すべき基準がなければ徐々に慣れが出てきて、緊張感のない職場になりかねません。

営業目標設定は、モチベーションに直結する重要な要素であることを覚えておきましょう。

生産性向上のため

営業目標設定をすることで、生産性向上も期待できます。

明確な営業目標がある以上、各営業担当者が生産性をあげるための工夫やスキルアップをせざるを得ない環境を生み出せます。

営業目標設定の代表的な3つの手法

続いて、営業目標設定の代表的な3つの手法を紹介します。

  1. SMARTの法則
  2. ベーシック法
  3. ベンチマーク法

SMARTの法則

SMARTの法則は、営業目標設定をするのに役立つ手法です。
SMARTとは、効果的な目標設定をするうえで欠かせない、5要素とその意味は以下になります。

要素 意味
Specific 具体的
Measurable 測定可能
Achievable 達成可能
Relevant 関連性
Time‐bound 期限

ここで、SMARTの法則を用いた営業目標設定の例を紹介します。

・Specific(具体的)
まず、目標は「具体的であること」が大切です。

例えば「会社の売上額を増やす」といった目標では漠然としているため、達成するのに何をすべきか明確にできません。
そのため、「新規顧客の売上額を上げる」というように具体性を持たせてください。

・Measurable(測定可能)
次に、測定可能な「数値」を目標に追加しましょう。

「新規顧客の売上額を1,000万円に上げる」のように数値を用いることで、全員が共通認識を持てます。

・Achievable(達成可能)
目標は「達成可能であること」も重要です。

「達成できないことが自明である目標」または「あまりにも簡単に達成できる目標」を設定しても、モチベーションは上がりません。

達成可能な目標を設定するには、過去の数字を根拠にするのも手段です。
例えば、「過去5年間継続して、新規顧客の売上額で900万円台を維持している」という実績があったとしましょう。その場合は、「新規顧客の売上額を1,000万円に上げる」も達成可能であると期待できます。

一方、「過去5年間継続して新規顧客の売上額が400万円台である」といった場合は非現実的な目標である可能性があり、再考も必要でしょう。
設定した数値目標が達成可能であるか、Achievableのステップで熟考してください。

・Relevant(関連性)
また、会社のビジョンや事業方針と「関連性」がある目標設定を心掛けてください。

現在のビジョンや事業方針が「新規顧客開拓に注力する」という方向性であれば、「新規顧客の売上額を1,000万円に上げる」という目標はきちんと関連性が見られます。
一方、例えば「既存顧客との取引拡大を重点的に行う」という方向性の場合は、関連性が薄い目標になります。

会社の方向性に関連する目標になっているか、今一度見直しましょう。

・Time‐bound(期限)
目標には、「期限」も追加してください。
期限がない目標では、モチベーションが芽生えません。

例えば「2023年4月~2024年3月の期間で、新規顧客の売上額を1,000万円に上げる」のように期限があってはじめて、達成までの具体的行動を計画できます。

ベーシック法

ベーシック法は、目標設定の基本的方法です。
ステップは、以下の4つになります。

ステップ 主にやるべきこと
1.目標項目の設定 具体的な目標項目を書き出す
2.達成基準の設定 「売上額500万円を達成する」などのように目標を数値化する
3.達成期限の設定 来年の3月までに売上額500万円を達成する」のように、目標に期限を追加する
4.達成計画 顧客へのアプローチ方法・営業支援ツールなどを具体的に書き出した計画表を作成する

ベーシック法のステップに従えば、自ずと目標設定ができます。

SMARTの法則と同様にベーシック法からも、目標は「具体的であること」「測定可能であること」「期限」が重要であることがわかります。

ベンチマーク法

営業目標設定には、ベンチマーク法も有効です。
ベンチマーク法とは、競合他社を基準にして目標を設定する方法です。

また、ベンチマークとは、直訳すると「基準」のことです。

競合他社の優れている点を直視することで自社の改善すべき点を抽出できるのが、大きなメリットです。

ベンチマーク法は、以下の4ステップを踏むのがおすすめです。

 

ステップ 主にやるべきこと
1.ベンチマークの選定

・自社と同規模程度の企業をリストアップする
・リストの中からベンチマークを決定する

2.ベンチマークと自社のギャップ分析 ・ベンチマークと自社のギャップを明確化
・ギャップの原因について仮説を立てる
3.施策検討 ・ベンチマークと自社のギャップを埋めるための施策を検討する
・「ベンチマークと同等の売上額を突破すること」などを営業目標とする
4.施策の実施・効果検証 ・検討した施策を実施する
・実施後は、効果検証も行う

「1.ベンチマークの選定」の際に到底勝ち目のない企業を選ぶと、達成不可能な目標になりやすい点には注意しましょう。

まずはベンチマークと肩を並べること、そして最終的にはベンチマークよりも優位に立つことを目指してください。

営業目標設定のポイント4つ

営業目標設定のポイントは、以下の4つになります。

  1. 社員一人一人に目標設定を促す
  2. 達成可能な目標を設定する
  3. 過去のデータを参考にする
  4. 数値目標を設定する

社員一人ひとりに目標設定を促す

まずは、社員一人ひとりに目標設定を促しましょう。
目標は、自分自身で考えて設定した方が、強い責任感も芽生えて達成しやすくなります。

しかし、社員一人ひとりが設定した目標が成長を期待できない内容であれば、上司からのアドバイスも交えて再設定してください。

達成可能な目標を設定する

SMARTの法則でも触れましたが、営業目標は達成可能であることが重要です。

非現実的な営業目標は、営業担当者のモチベーションを下げる要因になります。設定した営業目標は、「本当に実現できるのか」と冷静に自問自答しましょう。
また、営業現場の事情を考慮せず上層部が強引に目標設定した場合も達成困難になりがちです。

とはいえ、ハードルが明らかに低い営業目標を設定しても、営業担当者のモチベーションが上がらず売上ダウンにつながります。

「今までよりも努力する必要があるが、やれば達成できる」程度の目標設定を心掛けましょう。

過去のデータを参考にする

営業目標を設定する際は、過去のデータを参考にすることも重要です。

例えば、時期によって需要が異なる商材を扱っている場合は、時期別の売上額データを見直すことによって、今後の数値目標を設定しやすくなります。
また、各営業担当者別に過去の売上額データを見ることで、個人の目標を立てる際に役立てられるでしょう。

数値目標を設定する

営業目標設定では、必ず数値目標を設定することが大切です。

SMARTの法則やベーシック法でも、数値目標の重要性が明示されています。
今一度、数値を含まない漠然とした営業目標を設定していないか、確認しておきましょう。

設定した営業目標の活用術3つ

最後に、設定した営業目標の活用術について紹介します。

  1. 日々のタスクに目標を反映させる
  2. 進捗管理を徹底する
  3. 定期的なフィードバックを欠かさない

日々のタスクに目標を反映させる

営業目標が決まったら、すべきことを日々のタスクにも反映させましょう。

1ヶ月あたりの目標しかない場合、月末までに達成すべき目標は意識できても、日々何をすべきかが曖昧になりやすいです。しかし、月末が近づくにつれて焦り出しても、営業目標を達成するのは難しいでしょう。

例えば「1ヶ月あたり20件の新規顧客にコンタクトをとる」という営業目標があったとしましょう。月の稼働日数が20日の場合は、「1日あたり1件の新規顧客にコンタクトをとる」というタスクのイメージができます。
このように細分化した目標であれば、日々のタスクを意識できて、達成もしやすくなるでしょう。

進捗管理を徹底する

進捗管理を徹底することも、重要です。

営業目標は達成することも大切ですが、進捗状況を把握することに大きな意味があります。そのためには、毎日の振り返りの際に進捗管理を組み込むのがおすすめです。

進捗状況の把握は、ゴールから自分の現在地を確認するうえで欠かせません。また、上司へこまめに進捗状況を報告すれば、その都度フィードバックをもらえるでしょう。

目標達成をするためにも、進捗管理は徹底してください。

定期的なフィードバックを欠かさない

営業目標を設定した後は、上司から定期的なフィードバックを実施しましょう。

フィードバックを行うことで、営業担当者とのコミュニケーションをとる機会になり、一人で悩みを抱えることを予防できます。
また、営業担当者のモチベーションも上がり、組織全体の生産性アップにもなるでしょう。

ただし、威圧的な態度でフィードバックを行ってはいけません。威圧的なフィードバックは、自信喪失により営業担当者のモチベーションが大幅に低下します。

改善すべき点は指摘しつつも、褒めることも欠かさず、次のアクションへつながるようなフィードバックを心掛けましょう。

まとめ

営業目標設定をすることでゴールが見えやすくなり、営業活動の質向上や売上アップを目指すことができます。

営業部隊は、会社の売上に直結する組織であるため、営業目標設定も、重要な業務の一環であると認識しましょう。
また、営業目標には必ず数値や期限も含めることが大切です。

各営業担当者は、明確な営業目標があれば「日々何をすべきか」を考え自発的に動くようになります。
営業目標を設定して、確実にステップアップしていきましょう。