「商談ってどのような流れで進めるの?」
「正しい進め方で成約を勝ち取りたい」
そもそも商談とは、売り手による買い手への商品・サービスの取引に関する相談や交渉のこと。交渉する顧客がこの商品をぜひ活用したいと購入意欲を掻き立てることを目的としています。
しかし、商談は正しい流れを理解していなければ成約に結びつきません。
そこで本記事では、商談の流れ・事前準備・成功に導くポイントについて解説しています。
ぜひ参考にしてください。
商談の事前準備でやるべきこと
商談の流れを解説する前に、事前準備としてやるべきことを3つ紹介します。
- ターゲットの選定
- アプローチ先の情報収集
- アポイント獲得
ターゲットの選定
はじめに、ターゲットを選定してください。
例えば、以下のような顧客が優先度の高いターゲットとなるでしょう。
- 過去の商談で成約には至らなかったものの、自社商材に関心を示していた
- 自社開催のセミナーやイベントで関心を示していた
- 自社商材についての問い合わせを受けた
選定したターゲットは、リスト化してまとめておくのがおすすめです。
アプローチ先の情報収集
ターゲットリストの中から実際のアプローチ先を決定した後は、情報収集を入念に行いましょう。
事前にアプローチ先の情報を把握し、ニーズに沿った提案をすることで、顧客から好印象の商談となります。
主な情報収集方法として、企業サイトや過去の取引履歴などを活用してみてください。
「アプローチ先が自発的に発信している情報」「調べればすぐにわかる基本情報」は自身で調べておく必要があります。情報を把握しておけばアプローチ先のイメージもしやすく、商談の際も役立てられるでしょう。
現在は、インターネットを利用するだけでも以下のような情報を得られます。
- 事業内容
- 企業規模
- 決算時期
- IR情報(企業の財務状況などを公開した資料)
- 市場におけるシェア
- ブログやSNS
アプローチ先にとって、商談とは「提案される商材を購入すべきかどうか」の検討材料を得る場です。
商談中、アプローチ先の基本情報から質問すれば「そのような基本情報は企業サイトからわかるのに。」と思われます。最初に与える印象が悪ければ、後にいくら魅力ある商材を提案しても相手は関心を持ちません。
商談を行う以上は、リサーチしてもわからなかった情報やアプローチ先の抱える悩みなどを聞くための有意義な時間にしましょう。
アポイント獲得
そして、アプローチ先とのアポイントを獲得してください。
飛び込みの訪問営業をしても、基本的に応じてもらえません。確実に商談の場を設定するには、やはり予めアポイントを獲得することが重要です。
まずはアプローチ先の電話番号やメールアドレスを企業サイトで調べて連絡し、商談実施の打診をします。以前に名刺交換をしたアプローチ先であれば、その相手にコンタクトを取るのも選択肢です。
ここで単に「商談の機会をいただけませんか?」と連絡しても、断られるでしょう。そのため、商談を行うことによって顧客側が得られるメリットも合わせて説明するのが重要です。
商談の流れ9ステップ
それでは、商談の流れを9ステップで紹介していきます。
- 挨拶・自己紹介
- アイスブレイク
- ヒアリング
- 方向性のすり合わせ
- 提案
- クロージング
- 商談後の流れについて説明
- お礼の連絡
- アフターフォロー
ステップ1:挨拶・名刺交換
最初のステップは、挨拶・名刺交換です。
商談を行うにあたって、第一印象は極めて重要だと肝に銘じておかなければいけません。
多忙な中、商談に応じてくれたことに感謝し、笑顔で挨拶・名刺交換をしましょう。
ステップ2:アイスブレイク
次に、アイスブレイクです。
アイスブレイクとは、本題以外の話題で場の雰囲気を和ませる目的のある雑談のこと。互いの緊張をほぐして円滑なコミュニケーションをとるきっかけをつくるテクニックとして活用されます。
ですが、商談時間が非常に短い場合はアプローチ先に「私たちに対して配慮がない」と悪い印象を与えかねません。
そのためアイスブレイクを入れるかどうかは、時と場合によって判断しましょう。
ステップ3:ヒアリング
続いて、ヒアリングを行います。
ニーズに合わせた提案をする前準備として、アプローチ先が抱える課題を丁寧にヒアリングしましょう。
ステップ4:方向性のすり合わせ
ヒアリング後は、方向性のすり合わせを行います。
認識にずれが生じてしまうと的外れな提案をしかねません。
例えばアプローチ先が集客に課題を感じていたとします。しかし、ゴール地点が「まずは見込み客の人数を増やすこと」か「現在よりも受注率を20%上げること」かでは、提案内容も変わってきます。
「課題を解決できた」と言えるのはどのような状態かをアプローチ先に尋ねて、共通認識を持ちましょう。
ステップ5:提案
方向性のすり合わせができたら、商品またはサービスの提案に入ります。
アプローチ先が最終的に目指す姿に辿り着くために「自社商材がどう役立つのか」をわかりやすく説明しましょう。
また、競合他社との差別化を図るために自社ならではのPRポイントも強調することも大切です。
また、アプローチ先から質問を受けた場合は、丁寧に答えましょう。質問をするということは、少なからず自社商材に関心を寄せている可能性があります。
ステップ6:クロージング
提案を行った後は、契約への一押しとしてクロージングを行います。
クロージングは、成約が決まるかを左右させる重要なフェーズです。顧客の反応を窺いつつ、契約の意思を確認したうえで実施すれば、機会損失を防げるでしょう。
なお、商談相手が決裁権を持っていない場合、該当者との打ち合わせが目的となるケースもあります。
ステップ7:商談後の流れについて説明
クロージングの結果、相手に契約の意思が見られたら、手続きの流れについて説明を行うフェーズに入ります。
クロージングの際にアプローチ先の契約意思を確認できた場合は、今後の流れについてもしっかりと案内してください。契約後のスケジュールや対応、受けられるサービスを把握しておかなければアプローチ先は不安になってしまいます。
一方、成約には至らず「検討してから後日回答します」という返事だった場合は、回答期日と回答手段(電話かメールかなど)を明確に取り決めておきます。
期日までに回答がなければ改めて連絡することも伝えておいてください。
商談を無駄にしないために努めましょう。
ステップ8:お礼の連絡
商談後は、顧客に対してお礼の連絡をします。
アプローチ先は忙しい合間を縫って商談に応じています。対応へのお礼連絡をするまでが商談であると、認識しましょう。
ステップ9:アフターフォロー
ステップ9は、アフターフォローです。
商談が終わった後も、定期的にアプローチ先へ自社の情報を発信していきましょう。
成約に至ったアプローチ先へは、自社の顧客として引き続き丁寧な対応をしてください。
成約に至らなかったアプローチ先へもアフターフォローを行うことで、今後自社への関心を引き出せる可能性もあります。
また、アプローチ先側から問い合わせがあった際は、快く応じましょう。
商談を成功に導く8つのポイント
商談の流れを紹介してきましたが、その中で成功に導く8つのポイントを紹介していきます。
- 他社商材の知識もつける
- 商談の目的を明確にする
- 商談プロセスを可視化する
- 商談のロールプレイングを行う
- PDCAサイクルを活用する
- フィードバックをする
- 営業支援ツールを活用する
- 営業代行会社に依頼する
他社商材の知識もつける
商談に臨む際は、他社商材の知識もつけておきましょう。
アプローチ先が既に比較検討を進めている場合は、他社商材の知識を豊富に持っている可能性があります。そこで、自社商材のPRはできても他社商材より優れている点を把握していなければ説得力のある提案はできません。
普段からなるべく他社商材についてもアンテナを張るように心掛けるのが理想です。
商談の目的・ゴールを明確にする
商談の目的・ゴールを明確に意識するのも大切です。
一般的な商談を行う目的・ゴールは、「成約につなげること」です。
目的やゴールが明確でないと、話の本筋が外れて多くの時間を費やしてしまうでしょう。
しかし、商談は自社の売上げに直結する重要な場です。成約につなげるまでの展開をイメージし、商談中はゴールに向けて話を進めていきましょう。
目的・ゴールを常に意識しておけば「せっかく商談まで辿り着いたのに、収穫なく終わってしまった」という事態を防ぐことができます。
商談プロセスを可視化する
商談プロセスは、可視化しましょう。
「商談の流れ9ステップ」で紹介したように、商談には明確な流れがあります。
そこで、順番と各ステップでやるべきことを可視化しておけば、対応の抜け漏れや過ちを予防できるでしょう。
また、可視化したプロセスは社内で共有できるため、商談の流れに関して認識の違いが発生することも防げます。
商談のロールプレイングを行う
商談のロールプレイングも、社内で実施しておきましょう。
頭の中で商談のイメージができていても、実際にアプローチ先を前にすると思い通りに話せないケースは少なくありません。
そこでロールプレイングを行えば、実際の商談場面を想像しやすくなります。
「思ってたよりも上手く言葉が出てこない」「質問にきちんと答えられない」という失敗経験も、改善点として捉えればプラスに働きます。
反省点はメモをしておき、本番までに改善していきましょう。
ロールプレイングの重要性を社内全体で意識して実践してください。
PDCAサイクルを活用する
また、PDCAサイクルをできるだけ素早く回していきましょう。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことです。
商談でPDCAを活用する際は、以下のように進めてください。
Plan(計画) | アプローチの件数や受注件数・売上額などの計画を具体的に立てましょう。 |
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Do(実行) | アポイントを獲得し、商談を行います。 |
Check(評価) | 計画と商談結果を比較し、自身の行動を振り返ります。 良かった点は今後の商談に活かしつつ、改善すべき点はその対策を検討します。 |
Action(改善) | 改善に向けて行動します。
例えば、提案方法に問題があり商談を上手く進められなかった場合、上司の商談に同行して学習することなどが挙げられます。 |
上記のようにPDCAサイクルを回すごとに、商談の質を上げることができます。
フィードバックをする
商談のフィードバックを行うのも有効です。
可能であれば、部下の商談に同行して良かった点や改善すべき点を伝えましょう。
第三者の視点から自分の商談を見つめ直して改善を重ねることは、営業担当者の大きな成長につながります。
営業支援ツールを活用する
営業支援ツールを活用するのもおすすめです。
営業支援ツールとは、案件管理・顧客管理などの営業活動を効率化・自動化するツールです。
現在、多くの企業で営業支援ツール(SFA)が導入されています。
商談のスケジュール管理や履歴を残す際にも便利なツールなので、現時点で導入していない場合はぜひ検討してみましょう。
おすすめの営業支援ツールや選び方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
営業支援ツール(SFA)のおすすめ9選!失敗しない選び方も徹底解説
営業代行会社に依頼する
商談を営業代行会社に依頼するのも、一つの選択肢です。
営業代行会社では、高いノウハウを持つプロ集団が営業活動を代行しています。
昨今、「成約率で伸び悩んでいる」「社内の営業リソースが不足している」という場合は、営業代行会社を利用するのも珍しくありません。
また、おすすめの営業代行会社はこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
営業代行のおすすめ企業を紹介!費用相場と特徴も合わせて解説!
まとめ:商談の正しい流れをおさえて成約につなげよう
商談の流れを可視化すると、多くのステップがあることに気付くでしょう。各ステップを着実に実行して成約につなげるためには、商談の流れをしっかり押さえるのが重要です。
「商談」と言えば自社商材を提案する場面を思い浮かべやすいですが、実際は事前準備やアフターフォローも大切な要素となります。
本記事で紹介した「商談を成功に導く8つのポイント」も大いに活用し、商談の質を挙げていきましょう。
また、アプローチ先は貴重な時間を割いて商談に応じています。商談の際は、一貫して丁寧な対応を心掛けてください。