「コールセンターのアウトバウンドとはどんな業務?」
「アウトバウンド業務はきついって本当?」
このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
コールセンターのアウトバウンド業務はきついと言われますが、コツさえ押さえれば上手く対応できます。
そこで本記事では、コールセンターのアウトバウンド業務について詳しく説明します。アウトバウンド業務を成功させるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
アウトバウンドとは自分からお客さまに電話をかけること
コールセンターのアウトバウンドとは、自分から顧客に電話をかける業務です。
顧客というのは、自分の商品やサービスのターゲットとなる個人または法人です。新規の取引先を開拓はもちろん、一度アプローチをした顧客には商品のお知らせをすることもあるでしょう。
このように、アウトバウンドと言ってもさまざまな業務があります。
ここでは、アウトバウンドの具体的な仕事内容やインバウンドとの違いをみてみましょう。
アウトバウンドの仕事内容
アウトバウンドの仕事内容として、下記が挙げられます。
商品やサービスのセールス | 対象が新規顧客の場合 顧客リストを利用して自社の商品やサービスの提案を行う 対象が既存顧客の場合 定期的なアウトバウンドコールを通して、新サービスのお知らせやアフターフォローを行う・顧客ニーズを丁寧にヒアリングして、他の自社商品・サービスを提案できる機会につなげる |
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キャンペーンの紹介 | 顧客にキャンペーン情報をお知らせして販促活動をする業務 |
アンケート調査 | 顧客に質問への回答を求め、ニーズや満足度などを調査する業務 |
料金支払いの督促 | ローンやクレジットカードの未払い金がある顧客に入金を促す業務 |
データ入力などの事務作業 | 顧客からヒアリングした内容や顧客情報などをPCに入力する業務 |
一口にアウトバウンド業務と言っても、上記の表で紹介したようにさまざまな仕事内容があります。
インバウンドとの違い
コールセンターのインバウンドとは、顧客からかけられた電話に応対する業務です。主に問い合わせ対応や商品の受注、クレーム対応をすることもあるでしょう。
インバウンドとアウトバウンドとの大きな違いは、大きく4つあります。
- 電話をかける側
- 電話口の相手に関する情報
- 相手の商品・サービスへの知識・関心
- 相手から捉える心理的距離感
アウトバウンドの場合、電話口の相手に関する情報をある程度揃えた上でアプローチができます。しかし、インバウンドの場合、受話器を取るまで相手が分からないため、事前情報の収集はできません。
また、商品やサービスへの知識・関心も高いとは言えず、相手から見える心理的距離感も遠いと感じられるでしょう。
なお、インバウンド業務ついては、こちらの記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご確認ください。
コールセンターのアウトバウンドとは?仕事内容や成功のコツ7つを紹介
コールセンターのアウトバウンド業務がきついと言われる理由
「コールセンターのアウトバウンド業務はきつい」と、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
では、アウトバウンド業務がきついと言われる5つの理由を紹介します。
- 電話に出てもらえない
- 商品やサービスが売れない
- クレーム対応でメンタルがすり減る
- 成果を出せないと休みにくい雰囲気がある
- イレギュラーな出来事が多い
電話に出てもらえない
アウトバウンド業務として電話をかけても、実際は基本的に電話に出てもらえません。
顧客側は、知らない番号から電話が来ると警戒します。そして、そのような電話には出ようとしない人がほとんどです。
ただし、アウトバウンド業務を行う側からすれば、本来の仕事は顧客に電話をかけて話すことです。
したがって、その仕事自体が成り立たない状態が続けば、精神的につらさを感じてしまいます。
商品やサービスが売れない
商品やサービスが売れないことも、きつさの要因です。
もし電話に出てもらえたとしても、商品やサービスを売るのは非常に難しいことです。
アウトバウンド業務においては、突然電話を切られることや厳しい言葉を言われることも少なくありません。
そのため、すぐに精神がすり減ってしまいやすい仕事なのです。
クレーム対応でメンタルがすり減る
アウトバウンド業務で電話をかけた際は、不快に感じた方からのクレームに対応せざるを得ないケースもあります。
苦情や失礼な態度を取られた場合は、顧客の話を聴きこちらの非を認めて謝罪しますが、精神を大きく疲弊させかねません。
また、市場調査などを企業の代行で行うアウトバウンド業務の場合、その企業への不満を言われることもあります。
その際は直接自分とは関係ないことで謝らざるを得なくなるのも、「アウトバウンド業務はきつい」と感じる要因です。
成果を出せないと休みにくい雰囲気がある
アウトバウンド業務は、成果を出せないと休みにくい雰囲気があるのも実情です。
特に、商品やサービスを提案する業務の場合は、成果を出すことも重視されます。その中で成果が出せない状態であれば、上司や同僚の目も気になり休みづらいと感じるでしょう。
特に、周りの人に比べて自分だけが成果を出せていないとなれば、なおさら負い目を感じてしまうかもしれません。
イレギュラーな出来事が多い
アウトバウンド業務では、イレギュラーな出来事が多く発生します。
前述した通り、顧客から想定外のクレームや要求を受けることも、決して珍しいことではありません。顧客側が全く関係のない話を始めてしまい、本題の話ができなくなるケースもあります。
アウトバウンド業務はトークスクリプトの活用が基本になりますが、マニュアル通りの対応が通用しない場合は焦りやストレスを感じ、精神が擦り減ってしまいます。
コールセンターのアウトバウンド業務に向いている人
続いて、コールセンターのアウトバウンド業務に向いている人の特徴を紹介します。
- 接客経験がある人
- 営業職に関心を持つ人
- 気持ちの切り替えが早い人
- 臨機応変な対応ができる人
- ノルマ達成にやりがいを感じる人
接客経験がある人
接客経験がある人は、アウトバウンド業務に向いています。
これまでに接客を経験した人は、アウトバウンド業務で顧客と話すときもあまり緊張せずに済むでしょう。
また、顧客を不快にさせない話し方や購買意欲を掻き立てる案内方法などを身に着けているため、ある程度自信を持って電話をかけられます。
接客業務とアウトバウンドは「対顧客」という点で共通しているため、接客経験があればその経験を大いに活かせます。
営業職に関心を持つ人
営業職に関心を持つ人にも、アウトバウンド業務は適しているでしょう。
顧客に商品やサービスの提案を行ったりアポを獲得する仕事内容であれば、それは営業の業務に該当します。
また、声のみで商品やサービスの魅力を伝える技術を磨ける機会でもあるので、今後営業職に就きたいと考える人にはおすすめです。
気持ちの切り替えが早い人
気持ちの切り替えが早い人もアウトバウンド業務に向いています。
アウトバウンド業務は、電話口の顧客からネガティブな反応をされることが非常に多い仕事です。時には、暴言を吐かれる場合もあるかもしれません。
しかし、そのネガティブな反応を真剣に受け止めてしまっては、それ以降の仕事にも悪影響が出てしまいます。
「また暴言を吐かれるかもしれない」などと恐れていては、自信を持って電話をかけることができず、顧客にいっそう不信感を与えかねません。
そこで気持ちの切り替えが早ければ、ネガティブな気分に支配されることなく、次々に仕事をこなせます。
アウトバウンド業務において、気持ちを切り替える早さは重要な要素です。
臨機応変な対応ができる人
臨機応変な対応ができる人も、アウトバウンド業務に向いています。
コールセンターでは、基本的に顧客に「どのような内容・流れで話をするのか」を事前にまとめた営業台本であるトークスクリプトが準備されています。
しかし、顧客の抱える事情はさまざまであるため、全てトークスクリプト通りに進められるとは限りません。
顧客の知識レベルや属性によっては、噛み砕いた説明が必要になることもあるでしょう。
そのようなときでも、パニックにならずに臨機応変な対応ができる人は、コールセンターのアウトバウンド業務で重宝されます。
ノルマ達成にやりがいを感じる人
ノルマ達成にやりがいを感じる人も、アウトバウンド業務に向いています。
アウトバウンド業務では、架電数やアポ獲得数のノルマが課されることが一般的です。
そのため、自分なりにノウハウを模索しながらコツコツとノルマを達成できる人は、アウトバウンド業務の適性があると言えるでしょう。
コールセンターのアウトバウンド業務を成功させるコツ7つ
それでは、コールセンターのアウトバウンド業務を成功させる7つのコツを紹介します。
- 顧客情報を事前に調査する
- トークスクリプトを活用する
- 用件を端的に伝える
- 明るいトーンで話す
- 警戒心を持たせない話し方をする
- 顧客のニーズを引き出す
- 架電の時間帯・タイミングに配慮する
顧客情報を事前に調査する
顧客情報を事前に調査すると、アウトバウンド業務を成功させやすくなります。
顧客が企業など法人の場合は、電話をかける前に業種や規模をリサーチしておくと相手方のイメージが湧きます。
そうすれば、何も情報がない状態より顧客に寄り添った会話ができるので、いっそう相手のニーズを引き出しやすくなるでしょう。
個人の顧客に関しては、以前も電話をかけたことがあるか履歴を調べてみてください。
以前に話したことを交えて再度の提案をすれば、「自分が前に話したことを覚えてもらっていた」と思わせることができ、好印象を与えられます。
トークスクリプトを活用する
トークスクリプトの活用も大切です。
一般的に、コールセンターではトークスクリプトが用意されています。
そのため、自分自身で話す内容を一から考える必要はありません。
ただし、日頃の練習は大切です。トークスクリプトを滑舌よく読めるように、空き時間に練習をしておくのも良いでしょう。
また、顧客の現状やニーズに合わせて適宜改善することも必要です。
用件を端的に伝える
用件を端的に伝えるのも重要です。
アウトバウンド業務では社名や自分の名前を名乗った後に本題に入りますが、その際に回りくどい話し方をすると顧客に不信感を与えかねません。
顧客に「結局、何が言いたいの?」と思わせてしまっては、アウトバウンド業務は上手くいかないでしょう。
そのため、はじめに「用件を端的に伝えること」は必ず意識してください。
明るいトーンで話す
明るいトーンで話すことも心掛けましょう。
アウトバウンド業務は電話で行うため、「声」や「話し方」がすべてになります。
顧客は知らない番号からの電話に警戒しながら出るので、暗い声や話し方ではその不安を払拭できません。知らない番号からの電話に出た矢先、暗い声でボソボソとした声が聴こえてきたら顧客の警戒心をさらに仰いでしまうでしょう。
何度も架電をしていれば疲れも出てくるかもしれませんが、明るいトーンで話すことは忘れずに実施してください。
警戒心を持たせない話し方をする
警戒心を持たせない話し方も重要です。
先述したように、顧客は知らない番号から電話が来ること自体に警戒心を持っています。したがって、電話に出てもらえた場合はその警戒心を早めに解くことが重要です。
一方的に商品やサービスを売りつけるような営業トークを展開した場合、顧客にいっそう警戒心を抱かせてしまうのは想像できるでしょう。
したがって、売り込みはしない姿勢を守りつつ、顧客の話に共感しながらトークを展開していくのが大切です。
顧客のニーズを引き出す
顧客のニーズを引き出すことも忘れないでください。
もちろん、オペレーター側も説明を行うことは必要です。しかし、あわせて顧客のニーズも引き出すことで一人ひとりに寄り添った提案ができます。
「自分の悩みを解決しようとしてくれている」と感じさせることができれば、顧客が心を開き、さらに深い話ができる場合もあるでしょう。
顧客目線に立って、話を展開していくことを意識してみてください。
架電の時間帯・タイミングに配慮する
架電の時間帯・タイミングにも配慮が必要です。
顧客のスケジュールに配慮して架電することは、最低限のマナーです。
忙しいときに知らない番号から電話が来て、それが「営業の電話だった」となれば、不快感を示す顧客もいるかもしれません。
そこで企業などのオフィスの場合、始業時間や終業時間の前後は控えましょう。その時間は多忙を極めている場合が多く、電話をかけても対応してもらえない可能性があります。
また、昼休みの時間も外すのが無難です。
そもそも、昼休みはオフィスに居る人が少なく、電話に出てもらいづらい時間帯です。
もし出てもらったとしても、休憩時間に電話をかけてくるのは非常識と思われる場合があります。
そして、顧客が多忙な時期や時間を考えることも重要です。
例えば、不動産業界は引っ越しシーズンである2〜3月が繁忙期、飲食店なら営業日の11〜14時頃と17時以降の時間帯が忙しいでしょう。
相手が個人の場合は、プライベートな時間になる19時以降は避けるのが無難です。朝は支度をする方が多いため、理想的な時間帯は10時から19時頃になります。
法人や個人問わず、顧客にとって迷惑にならない時間を考えて電話をかけましょう。
コールセンターにおけるアウトバウンド業務のあるある3選
では最後に、コールセンターにおけるアウトバウンド業務のあるある3選を紹介します。
- 土日の週末に成約を取りやすい傾向にある
- 詐欺だと勘違いされる
- 割り当てられた顧客リストで成果が左右される
土日の週末に成約を取りやすい傾向にある
アウトバウンド業務では、個人の顧客を対象とする場合、土日の週末に成約を取りやすい傾向があります。
というのも、土日は顧客の休日であることが多く、電話に出てもらえる確率が高いからです。
さらに、顧客側に時間があれば話を聴いてもらえる可能性も高まるので成約率も上がります。
詐欺だと勘違いされる
アウトバウンド業務の電話は、詐欺だと勘違いされることも少なくありません。
何の前触れもなく知らない番号から電話がかかってきたとなれば、詐欺に思われてしまうことは避けられないでしょう。
したがって、まずは警戒心を解く会話が必要です。
割り当てられた顧客リストで成果が左右される
割り当てられた顧客リストで成果が左右されるのも、アウトバウンド業務のよくある事例です。
比較的電話がつながりやすい顧客が多く含まれるリストに当たれば、高い成果を出しやすくなります。ただし、オペレーターに顧客リストを選ぶ権限はありません。
そのため、成果には運の要素も関わっているのが実情です。
まとめ:コールセンターのアウトバウンドはコツをおさえて挑戦しよう
アウトバウンド業務は、顧客に電話をかける仕事です。
コールセンターと言えば営業の電話をするイメージが強いかもしれませんが、市場調査や料金支払いの督促などを行う場合もあります。
本記事で紹介したように、アウトバウンド業務にはさまざまなきつさもあります。
その一方で、コツさえおさえれば、アウトバウンド業務を効果的に進められるでしょう。
アウトバウンド業務に関心がある方は、本記事で紹介したコツやアウトバウンド業務に向いてる人の特徴をぜひ参考にしてください。